2009年10月19日月曜日

仮面ライダー

 我が家の長男、この頃恐竜と仮面ライダーにハマっている。長女と同じように育てていても、男の子はやっぱり男の子らしい好みになっていく。どこで影響を受けるのだろうなとちょっと不思議に思う。仮面ライダーはたぶん、幼稚園だ。

 日曜日の朝の仮面ライダーWをたまたま長男と一緒に観た。何を隠そう、私も仮面ライダーは大好きだった。初代と2代目までは夢中になって観ていたものである。3代目から興味を失ってしまったが、その後も脈々と仮面ライダーは続いている。続いているのは知っていたが、あまりしっかりと観た事はなかったのである。

 さてそんな現代の仮面ライダーWであるが、全体的に明るい、軽い。登場人物は主役の探偵のお兄さんと所長のお姉さんともう一人のお兄さん。Wという名の通り、お兄さん二人が変身するのである。昔は「おやっさん」がいたものであるが、今は年寄りの出る幕はないらしい。

 ストリート・ダンサーが出てきてリズミカルに踊るのも現代風なら、変身も何やらベルトにメモリを差し込むというモノだ。確か一つ前の仮面ライダーはベルトにカードを挿して変身していた。カードゲームの流行を受けてのものだろうか。ガチャっと挿してカラッとさわやかに変身する。

 昔は「へん~しん!」というアクションがあったから、みんなベルトなどなくてもどこでも気軽に変身できた。今はベルトやメモリなどのモノがないと、気分がでなくて面白くないだろうなと思ってしまう。そして昔は次々と現れるショッカーの戦闘員をなぎ倒していったものだ(子供心にせっかく改造されたのに戦闘員じゃかわいそうだよな、と妙なところで同情していたものだ)。そうして最後に必殺のライダーキックで勝負を決めた。

 しかし、今はマンツーマンで怪人相手に銃をぶっ放す。そしていきなり終わってしまった(次回に続くらしい)ので最後はどうやって怪人を倒すのかは来週観てみないとわからない。なんともすっきりしない。昔は一話完結で、最後はサイクロン号に跨って、マフラーをなびかせながら、ナレーションとともに去っていったものである。

 それに主人公は不本意ながら改造人間にされてしまい、どこか世間に正体を隠して生きていて、言ってみれば陰を背負った暗さがあった。それが全体を通しての仮面ライダーの世界観を形成していた。今のライト感覚な雰囲気にはそれが感じられない。これも世相なのだろうか。

 「歌は世につれ、世は歌につれ」ではないが、仮面ライダーのこうした変化は世の中の動きの反映なのだろうか。なんだか昔のシリーズを観てみたくなってしまった。そして昔のライダーの勇姿をみせて、これぞ仮面ライダーだと息子には教えてやりたいと思うのだ。あの翳りを帯びた世界観でこそ、真の人格形成がなされるような気がしてならないと思うのである・・・


【本日の読書】
「なぜ隣の奥さんはラブホテルファンドでバーキンが買えたのか?」嶋野宏見
「東京裁判を読む」半藤一利/保阪正康/井上亮

    

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