2009年10月14日水曜日

ハロウィンの戸惑い

 
 昨年あたりからご近所でハロウィンの飾り付けがちらほら見られるようになってきた。
クリスマスの飾り付けは我が家もやるし、近所でもかなりやる家は多いのだが、ハロウィンはまだ少数派。我が家の目の前の豪邸(普通の家4軒分なのだ)も、昨年豪華な飾り付けを披露した。オレンジのかぼちゃの飾り付けは微笑ましく思えるし、私も見るのは好きである。

 ところが・・・
今年は豪邸の飾り付けが遅れている。そろそろやらないとあんまり長く飾れないのに、と他所の心配をしていたところ、我が家の奥様からこんな話を聞いた・・・

 それは昨年の事、やっぱり近所で懇意にしている奥様の家で、玄関にハロウィーンの飾り付けを施していた。そしたら、突然ピンポーンとチャイムが鳴り、出てみたところ「Trick or Treat!」。
「えっ!!」と驚いたその奥さん、とりあえず家にあったお菓子をかき集めて渡したそうである。やってきた子供たちは皆見知らぬ子たち。慌てて我が家の奥様にメールしてきた、「このあたりにはハロウィンの習慣があるのか?」と。(この奥さんはまだ住んで日が浅いのだ・・・)

 突然のメールで、そんな話に我が家の奥様も仰天。この地に住んで10数年、そんな話聞いたこともない。「来たら居留守使うわ!」と咄嗟に答えてビクビクしていたらしい。
幸いな事に我が家には来なかったようである。

 後日アメリカ滞在経験のある奥さん友達が教えてくれたそうである。本場でもハロウィンで子供たちは全家庭を回るわけではないのだと。ハロウィンの飾り付けをしている家だけを回るのだと。そういう家は、飾り付けが「ハロウィンしています」という合図なのだと。それで、その家だけに行ったのかもしれない。初めて聞く話だったが、そもそもその子供たちもそんな事をよく知っていたものだと変に感心してしまった。

 しかしながらこのハロウィンも、近所の知っている子供ならともかく、知らない子だとやっぱり抵抗感はあるよなと思う。地域でみんなでやりましょうってなったら別だが、いきなり見知らぬ子が来たら戸惑うだろう。我が家の奥さんが咄嗟に居留守を使おうと決めた気持ちもよくわかる。

 もともとハロウィンといったってどういうものかよくわかっている人は少ないだろうし、ただかぼちゃの飾り付けが可愛いから、ちょっと飾ろうかという程度の家が大半だろう。営々と築き上げた歴史を持った本場のそれとは似て非なるものだ。クリスマスもそうだが、形だけ輸入してしまうのは我々の社会の得意技だ。それをどこまでやるかはみんなのコンセンサスだが、この先どうなるのだろう。やがてクリスマスみたいに市民権を得ていくのであろうか?

 そんな話を聞くと、目の前の豪邸の飾り付けがまだなのは、やっぱり同じ経験をしたからなのだろうかと思ってしまった。おそらく、十中八九は子供たちの「襲撃」を受けたはずだし・・・ただ、そんな理由でせっかくの飾り付けが見られないのは残念な気もする。もしもそうなら、ハロウィンの習慣が我が家のご近所はおろか我が国に根付くのはちょっと難しいかもしれないな、と思うのである・・・


【本日の読書】
「覚悟のすすめ」金本知憲
「夜のピクニック」恩田陸
     
    

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