2016年3月30日水曜日

働き方

ユニクロなどでは一足早く入社式が行われたようであるが、世間では明後日の一日に入社式というところが多いと思う。
そんな新入社員に対し、「始業時間の何分前に出社してほしいか」というアンケートを目にした。

これによると、
1位 15分くらい前(25%)
2位 30分くらい前(24%)
3位 20分くらい前(19%)
という結果になったらしい。
ずいぶん遅いなというのが、私の正直な感想である。
私だったら、「1時間前(というか一番乗り)」と答えるだろう。

これは先輩から見た考え方であるが、当の新入社員はどんな意識でいるのだろうかとふと考えた。
私自身、今はほぼ一番乗りで出社しているが、それは誰から強要されたものでもなく、職場の慣習でもなく、自らの考え方によるものである。
考えてみれば、その考え方は大学時代からのものである。

大学に入り、ラグビー部の門を叩いた私は、いつしか集合時間の1時間半前にはグラウンドに行っていた。それは別に先輩に強制されたわけではない。練習が終わったあとはバイトに行きたかったし、全体練習ではできないウェイト・トレーニング等の時間をどこで確保しようかと考えた末、必然的に「早く行く」という結論に至ったわけである。

銀行に入ったばかりの新人時代は、同じ独身寮の先輩と一緒に早く行っていた。開店してお客さんが来る前に準備があったし、やることのない新人も取引先のファイルを整理したりと雑務があった。今も早く行って掃除したあと、ニュースを見たりと好きなことをしている。そういう朝のゆとりのひと時を過ごしたくて朝早く出社しているとも言える。

今、もしも大学卒業時に戻って新入社員になったとしたらどうするだろうか。
やっぱり朝は早く行くだろう。職場の鍵を持たせてもらえるなら、たぶん一番乗りで出社するだろう。そしてみんなが出てくる前の職場で、自分の肥やしになるような過去の資料に目を通したりとか、「仕事の勉強時間」に充てるだろう。セキュリティの関係で資料に目を通せないなら、ネットでCNNのニュースを見て英語の勉強をしたりするかもしれない。

だがそういう考え方は古いのだろうか。
しかも今はパソコンの起動時間で勤怠管理をするところもあって、自主勉強のつもりが「出勤」扱いになって朝の時間外勤務が発生し、上司に怒られるなんてこともあるかもしれない。
なんだか働きにくい世の中かもしれないと思ってみたりする。

ただそんな封建的な雰囲気を残す考え方だが、それは誰の為でもなく、結局自分自身のためになるものだと思う。そうしたスタンスが、後々大きな形で生きてくるに違いないと信じている。
いずれ子供たちも社会人になるだろう。その時は、こうした仕事に対するスタンスは是非伝えたいと思う。少なくとも朝の電車の中で漫画を読んでいるようサラリーマンにはなってほしくない。
朝一で(自主的に)出社するような新人なら、そんなことにもなるまい。

先のアンケートでは、68%の人が「30分前まで」に出社すべきと考えているとわかる。
なら自分の子供達には1時間前に行けと教えたいと思うのである。
魚を与えるより捕り方を教えろというが、それがベテランサラリーマンとして新人達に、そして我が子供たちに伝えたいことである・・・





【本日の読書】 
  

2016年3月27日日曜日

英雄色を好む


最近、有名人の不倫のニュースが目につく。
ベッキーから始まり、国会議員が続き、ちょこまかとあったと思ったら、今回乙武さんの不倫騒動でちょっと驚かされた。
もともと芸能人の恋愛だとか不倫だとかのスクープを週刊誌が報じるたびに、「別にいいじゃないか」と思っていて、はっきり言って関心などなかったが、乙武氏の報道ではいろいろと考えた。 

そもそも今度の選挙で自民党から出馬するとかの話があり、それでマークされていたのかどうかは知らないが、まずは不倫そのものが驚きだ。
「五体不満足」で知られる乙武氏は、その障害にもめげず活動的なのはすごいと思っていたが、女性を口説くというところまでとは知らず、まさかと思わざるをえない。
その他の活動ならともかく、女性を口説くにあたっては、氏の持つ障害は正直言ってかなりのハンデだと思う。
結婚すらよくできたなと思うのが正直な感想で、自分だったらまず不可能だっただろうと思う。

にもかかわらず、さらに不倫、しかも相手は5人となると、これはもう「並」の男以上だ。
はっきり言って「尊敬」レベルだろう。
賞賛に値すると個人的には思う。
されど、世間的にはやはり批判の声の方が大きいのであろうか。
もちろん大きな声で賞賛できる行為ではないし、女性からすれば嫌悪の対象になるのかもしれない。
しかし、男の身からすると賞賛の対象だろう。

批判については、まぁ当然かもしれない。
だが、謝罪のニュースを見ていて疑問に思う。
一体、「何に対しての」謝罪なのだろう。
「誰に対して悪いことをしたのか」といえば、それは当然奥さんであり、家族であろう。
だから、奥さんや家族に対して謝罪するのは当然だ。
土下座しても足りないくらいの罪だろう。
だが、世間に向けての謝罪については疑問に思う。

「世間をお騒がせした」から?
でもお騒がせしたのは本人ではなく、週刊誌などのマスコミだ。
本人は隠しておきたかったであろう。
それを暴きたてて、世間にぶちまけたのはマスコミである。
なぜ本人がその責任を問われるのであろう。

「そもそも良くないこと」だから?
それはそうだが、清原と違って犯罪ではない。
まぁ世間に知られた人間である以上、モラルに反したことをすれば、普通の人と違って問題にされるのは仕方ないのかもしれない。
世が世なら「姦通罪」として逮捕される時代もあったわけだし、やはり「世間をお騒がせした」ことが謝罪の対象となるのかもしれない。
 
しかし、それにしても不倫をスクープして手柄にする職業ってどうなのかと思わざるをえない。
職業に貴賎はないと言うのはその通りだと思うが、自分のプライドとして絶対やりたくない職業の一つである。
たとえ世間から非難されようと、5人もの相手と不倫していた乙武氏の方が、こそこそ嗅ぎ回って秘密を暴き立てるよりはるかに立派だと思う。

五体不満足のハンディを追っても尚且つ、常人にはなかなかできないようなことを成し遂げるエネルギーを持っているのは、大したものだと思う。
政治の世界に進出したら、何か成果を出せたかもしれない。
そうなると、暴いて鼻高々の週刊誌とそれを興味本位で読んでいる読者は、結局大きな損害を社会に与えてしまったのかもしれない。
 
そんな風に考えるのは、私だけだろうかと思うのである・・・