Netflixのドラマ『極悪女王』が面白い。何でもそうだが、知られざる舞台裏を知るというのはまったくもって興味深いものである。ドラマは一時代を席巻した女子プロレスのヒールであったダンプ松本を主人公にしたものであるが、デビュー前は気の優しい女の子で、後にライバルとして熾烈な争いを展開する長与千種とは同期入門で、互いに恵まれない家庭環境の中から女子プロ入りし、共に励まし合いながら新人時代を過ごす。後の対決からはまったく想像のできないものであった。
もちろん、対決というのはあくまでもリングの上だけでの話はわかっているが、2人の新人時代のエピソードは心温まるものがある。かくして物事は外側だけ見ていてもわからないものだという事がわかる。おかしいと思う事であってもその裏側には外側からは窺い知れない事情があったりするものである。裏側の事情を知らないのは仕方ないとしても、外側の事情だけをもって一方的に人を批判するのは避けた方がいいと改めて思う。
一方、これとは対照的に自分の見えている事実がすべてという人たちがいる。ある程度は致し方ないのであるが、世界は自分が見えているところだけで成り立っているわけではない。「視野が狭い」という言い方もあるが、物事の裏側を想像してみるという事ができる人とできない人がいる。人間は神様ではないので、見えていない部分を見ることはできない。ただ想像してみる事はできる。
今日、父の弟である叔父が亡くなったと従姉妹から私に連絡があった。いつものように週末に実家に帰っていたところだったので、私は両親にそれを告げた。両親ともに突然の訃報に驚いていたが、母は自分のところでなくなぜ私のところに連絡が来るのだと文句を言い出した。「筋が違う」と言いたいのかもしれない。しかし、相手の事情を想像してみれば、叔母も高齢だし、動揺しているかもしれない。その中で一人娘の従姉妹が悲しみの中で手続きに奮闘していたのだろうと想像できる。
昼に亡くなったにも関わらず、夜には通夜と告別式の日程が送られてきた。葬儀屋が手際よく手配したのであろうが、遺族もゆっくり悲しんではいられない。そんな中で、中心になって仕切ったのは従姉妹だろうし、我が母の言う「筋を通して」我が父か母に電話するなどというゆとりもなく、手っ取り早くLINEで連絡が取れる私に連絡してきたのだろうと想像できる。
母にしてみれば自分たちが後回しにされた事が面白くないのかもしれないが、例えそうだとしても「寛容」の精神があれば流せる話であるし、私のように相手の事情を想像してみれば何も気にならないと思う。それはいろいろな場面で当てはまるように思う。仕事でも同様で、「なぜこんな事をしたのか」と怒り半分、あきれる事半分の時があるが、じっとこらえてよくよく事情を聞くとその人なりに考えていたのだとわかったりする。それは考えが足りないとしても、ただ腹を立てるのではなく、まだまだだと思って根気よく教え諭して指導するしかない。
ドラマはこれから後半戦。世の中では「一気見」などする人も多いようだが、私はあえてじっくり1話1話楽しんで観ていくタイプである。他にも観ているものはあるし、1週間で1話くらいのペースだろうか。もともと女子プロには興味などなかったが、それでも極悪同盟の存在は知らず知らずのうちに視野に入ってきていたし、チラ見もしていたりした。それだけの人気だったという事であるが、出演陣の熱演も凄いし、時間をかけてゆっくり楽しみたいと思う。
それにしても『サンクチュアリ』もかなり面白かったし、Netflixのドラマはこれからも要注目であると思うのである・・・
Leandro De CarvalhoによるPixabayからの画像 |
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