2011年6月12日日曜日

良い話が聞けた

ご近所に住むあるご家庭では、子供を都内の某有名私立小学校に通わせている。
お受験ママたちにしてみれば羨望の眼差しといったところである。
我が街からその学校までは、1時間半くらいかかるのだが、毎日送り迎えしている様子で、誠に頭が下がる気がする。そんなにまでして、それが一体何になるのだろうと、他所の家のことだから良いのだけれど思ってしまう。

そんな日頃の疑問に一つの答えとなる話を聞く機会に恵まれた。
いつもお手伝いしている財団で主催している社会人向け勉強会の中での一コマだ。
今までの参加者から希望者を募ってのもので、講師は木下晴弘氏。
関西では超有名な学習塾浜学園(灘中合格者数日本一)で講師を務め、そこで培ったノウハウを活かし、独立して教員・講師向けモチベーションアップ・授業力向上研修、コンサルティングをしている方である。

もともと子供を無理やり塾に通わせたり家庭教師をつけたりしても、それだけで勉強ができるようにはならないと、自分の経験からそう考えていたが、木下氏の主張もまさにその通り。
いかに本人のやる気を引き出すか。それが一番重要なのだとのこと。
これを内発的モチベーションと言うのだそうだが、その話を自身の経験則に沿って語ってくれた。

今までもそうした内発的モチベーションが重要だとはわかっていた。
それが備わっていないと、どんなに環境が整っていても何の役にも立たない。
高校3年の時、浪人して予備校には通っているものの、あまり勉強していなかった先輩たちの姿を見ている。灘中に日本一の合格者を送り込むのも、ただ優秀な子を集めて受験テクニックを教え込んでいるだけでは、もちろんないだろう。
そうわかっていても、しかし『どうやったらいいのか』がなかなかわからなかったのである。

ここでそのエッセンスを説明するのは難しいが、一言で言えば心を磨くという事なのだろうか。その磨き方が実にいい。
「人に与えたものは(良いものも悪いものも)必ず自分に返ってくる」という人生の法則、許すこと、感謝の3レベル・・・それらが感動的なエピソードとともに説明される。
ちょっとウルウルしつつ、必死にメモを取った。

それにしても、とあらためて思う。
こうした話をできるところまで到達するのは、やはり物事に対する情熱だ。
講師の木下氏も、元はと言えば普通の塾の講師。
思い通りに生徒が勉強できず、辞表を書くところまでいったそうである。
そこでいろいろな人からの話に目覚め、仲間の講師たちと議論し、研究し、調査して「大事なもの」に気付いていく。

ただ日々の仕事をこなし、給料に満足し、晩酌を楽しんでいるだけでは到底到達できないところだ。自分は果たしてそんな気持ちで仕事をしているだろうか。
そんなことまで考えてみた。

一緒にお風呂に入ってさっそく実践トレーニング。
湯船に浸かって私のする話をいつも娘は興味深く聞いている。
今回の話を受けてさっそく「友達のためにする事」を話してみた。
効果はすぐには表れないだろうけど、じっくりゆっくり機会をみては話をしていきたいと思うのである・・・


【昨日の読書】
「娼年」石田衣良


      
    

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