2010年7月3日土曜日

頼るな日本人

日経テレコン21でこんなニュースを目にした。
【大学生の就職に強い逆風が吹くなか、参院選で主要政党が掲げる就職支援策を学生らが注視している。就職活動は開始時期が早まり、長期化。大学関係者の間では学業への影響を懸念する声が強まっている。各党は相談態勢の充実などを訴えており、学生らは「今度こそ効果のある対策を」と、切実な思いで選挙戦を見つめている・・・】

これに続いて長引く就活で卒論に集中できなかったり、春休みも旅行やボランティアはできなかったり、「就職活動第一の大学生活なんておかしい」と感じる学生の声を紹介したりしている。
中には就職留年を経て就活2年目で、この間受けた企業は80社に上るが内定はないという学生さんの例も紹介されていた。その学生さんは「自分の何が悪いのか分からない」と不安を抱えているらしい。

企業の就職協定がなくなったうえ、厳しい状況のなか内定を得たい学生が早く動き出すために大学生の就職活動は早期化・長期化が目立っているという。
売り手市場の良い時代に就職した私としては、誠にいまの学生さんには同情してしまう。

しかし、だ。
それが何で選挙へつながるんだろうと、例によって疑問が湧いてくる。
厳しい状況には同情はするが、政治家になんとかしてくれという話ではないだろう。
そんなものは自分でなんとかするものだ。
就職活動で受けた企業が80社と聞いただけで、その努力には頭が下がる。
なのに1社も内定が得られないって事は、「そもそもあなた自身に問題があるのだろう」と言わざるをえない。不安になる前に考える事はあるはずだ。

先輩を頼って自分の欠点を指摘してもらうとか(そもそもそういう先輩がいるのだろうか)、他の学生があまり受けないような企業を攻めてみるとか、大学院で一つ専門を極めてみるとか、公務員狙いで必死に勉強してみるとか、若いんだからやる事はいくらでもある。
そもそも受けているところが、理想ばかり高くて、大手ばかり受けているのではないのだろうか?

世の中不況とはいえ労働のミスマッチはいたるところにある。
ハローワークに行けば、「年齢」という大きな壁に苦しむ中高年の失業者がうようよいる。
新卒で行けばすぐに就職などできる。
若手に来てほしい中小企業はたくさんあるのだ。
つまり内定がもらえないのは、「選り好みしているから」ではないのだろうか。
それをなぜ国が支援しないといけないのか?

「500円しか持っていないのですが、どこのレストランへ行ってもステーキを食べさせてくれません!」と文句を言っている人に対して、「では税金で1,000円補助しますからそれで安いステーキを食べて下さい」と言っているのに等しいのだ。
「吉野家に行けばいいじゃないか」と言いたい。

以前派遣斬りでも触れたが、何でもかんでも政府に求めるのはいかがなものかと思う。
何かで読んだが、昔の日本は役人が威張っていた。
サービスなんて言葉はかけらもない時代だ(今は幸いかけらくらいある)。
市民の陳情なんてないから役所も人手がいらなかった。
それがだんだんと国民に対するサービスの必要性が出てきて、それに合わせて公務員が激増していったのだという。だとすると、今の公務員天国は国民が自ら生み出した結果に他ならない。

確かに手を差し伸べなければならない人たちはいる。
そういう人たちを公的サービスで救うのは当然だ。
だがその前に国民一人一人が自立精神をもっと持たないといけない。
国に頼らず、誰かに頼らず、自分の生活は自分で支えるのが基本だ。
国に頼るのは最後の最後であるべきだ。

「若者の就職支援なんか国のやる事ではない!」ときっぱり断言するような政治家だったら、1票入れちゃうだろうな。でもそんな発言したら、物事の本質を考えず上辺だけしか見ないバカなマスコミが叩くんだろうな。そんな繰り返しが今の政治家の姿のような気がする。

かつて我が国は経済一流、政治は三流と言われた。
だが政治が三流なのは、選んだ国民が三流だからなのではないだろうか。
国民が真に自立して一流になれば、自ずと政治も一流になるのではないかと私は信じて疑わない。
せめて自分の子供たちは、しっかりと自立した人間に育てたいと思うのである・・・


【昨日の読書】
「史上最強の人生戦略マニュアル」フィリップ・マグロー
「ぼんくら(上)」宮部みゆき

【昨日の漫画】
「マネーの拳⑤」三田紀房
「猛き黄金の国②」本宮ひろし
     
    

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