2011年9月22日木曜日

トンガ戦に思う

ラグビー日本代表の注目の第3戦は、残念ながらトンガに敗れてしまった。
ディフェンスの差というのが、まざまざと表れていたような試合だった。
どちらのチームも攻撃力には大差なかった。
(それが証拠にトライ数はともに3個だった)
差がついたのはディフェンスだ。

もともと体格に勝るトンガが、強い当たりを繰り返す。
日本が攻めてもしっかりと倒してそこへ殺到してボールを奪う。
密集の中でボールを奪い取ろうとする動きが観ていて凄かった。
日本は外国人選手の突進で何度か良い展開になったが、それを観ていてやっぱり日本人には不利なスポーツなのだろうかと思ってしまった。

最近では相撲もすっかり外人パワーに席巻されている。
まだ日本人主流だが、本格的に「世界の競技」になったら日本人は幕内に残れるだろうかと思う。陸上競技で黒人に勝てないように、ラグビーの世界で日本人が世界の中で勝てるようになるのは難しいのかもしれないと、そんな気もする。

観ているとわからないが、実際にやってみた時、相手とのぶつかり合いというのは試合を左右する大きなファクターだ。体の大きな相手とぶつかりあっていると、始めはよくてもじわりじわりとダメージは残る。スタミナのロスも体の小さい方が大きい。
体の大きな相手が、それをうまく活かして強い当たりをされると、やっぱりかなりの不利は否めない。それはメンタルな部分にも影響する。

大学3年の時の公式戦で対戦した成城大学戦の事だ。
前年までは対等だったが、その前年あたりから成城大学は選手を強化。
試合前に相手をみると、ずらりと体の大きなフォワードが目についた。
「今年は勝てないかもしれない」と正直思った。

案の定、初っ端から押されてゴール前まで追い込まれる。
そして最初のスクラム。
覚悟して臨んだものの、予想外の軽さ。
スクラムの端のポジションでもそれは感じられた。
結局そこでトライは奪われたものの、フォワード陣には力がみなぎって来た。
相手は体こそ大きいものの、あたりは弱くプレッシャーは感じられない。
よくプロレスラーが、「お互いに組みあった瞬間に相手の実力がわかる」と言うが、おそらくそれと同じ感覚だ。

その後トライを奪い返し、一進一退。
ハーフタイムでは、やはり不利を予想していた監督が、「よくやっている、十分いける」と興奮気味に檄を飛ばしてくれた。
あたりが軽くて弱い相手だと闘志も湧くし、意気も上がる。
重くて強ければその逆だし、ミスも起こる。

結局その試合は、6-7で1点を追い掛ける展開となった。
相手は体の大きさに反してあたりは弱い。
いけるという感覚は最後までなくならず、攻めまくった。
最後に逆転トライと思った瞬間、反則の笛を吹かれた。
大学時代、初めて負けて悔しくて泣いた試合だった。
反則を取られたものの、それはミスジャッジで、「あれはトライだった」と今でも思っている。きっと死ぬまでそう思っているだろう。

日本代表の次の試合は最後となるカナダ戦。
IRBのランキングはいつの間にか変動していて、カナダは11位と日本より上位になっている。トンガにも勝っているし、極めて厳しいと思うが、何とか1勝を挙げてもらいたいものである・・・
               

【本日の読書】

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