2009年8月20日木曜日

明日に向って走れ

世界陸上でジャマイカのウサイン・ボルトが9秒58という驚異的な世界記録で優勝した。
我々の世代だとカール・ルイスの記憶が強く残っているが、当時びっくりした彼の9秒86という世界記録も今では歴代10位なのだという。
今回の世界陸上に全盛期の彼が出場しても3位にも入れなかったのだから驚きだ。
いくら「記録は破られるためにある」ものとはいえ、どこまで伸びていくのであろう。

私も足の速さにおいてはちょっとしたものであった。
小学校の頃からリレーの選手だったし、それからも走る事にかけては自信があった。
高校時代でもたぶん、学年でベスト5くらいには入っていたのではないかと心密かに思っている。

中でもお気に入りはリレーだった。
それもアンカーがお好みだった。
そしていつも思っていたものだ、「どうか2~3番目くらいでバトンを渡してほしい」と。
1番ではダメなのだ。
そのまま1番でゴールしても手柄は前の走者のものだ。
2~3番目でバトンを受け取って1番の走者を抜くのがいいのだ。
(もっともそう都合のよい機会に恵まれた経験はあまり記憶に残っていない)

同じ走るにしても長距離は苦手だった。
ただ黙々と走るのはあんまり好きではなかった。
高校の時に嫌々ながら走った10キロ走では50何位だったと記憶している。
途中でショートカットできないかとキョロキョロしてみたが、さすがにそこは読まれていて、ズルできない仕組みになっていた。
最近走る事が一部でブームになっていて、よく「ランナーズハイ」の恍惚感を語られる事もあるが、私には馬耳東風だ。

ラグビーでも足の速さはそれなりに有利に働いた。
だが、ラグビーでは正面を向いてひたすらまっすぐ走るという機会は、一つの試合にそれほどあるものでもない。
たいがいが、短いスタートダッシュの繰り返しで、走るにしても相手の動きを絶えず見てそれにあわせて動くのが主だ。
何よりスピードよりもぶつかり合いの方を好んだので、勢い全力疾走などという機会も少なかった。

それにしてもボルトの瞬間最高速度は秒速12.4秒だという。
誰の背中を見ることもなくただ早く走る9秒56の世界とはどんな世界なのだろうか。
そこは選ばれし者のみが到達できる神の領域なのだろうか。

今4歳の長男は、よく「よーいドン」のかけっこを喜んでやっている。
今から楽しみながらやらせていれば、自然と足も速くなるのではないかと思っている。
足が速いと子供の時代は楽しいものである。
少なくとも母親のように運動会の前の日に必死で雨乞いする事はないだろう。

「神の領域」とはいかなくても、楽しい世界がある事は間違いがない。
親としてその楽しみに導いてやりたいと思うのである・・・



【本日の読書】
「最後のパレード」中村克
「ジェネラル・ルージュの凱旋(下)」海堂尊
「戦略ファイナンス」高田直芳

    
   

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