2009年7月18日土曜日

お笑いタレントの戦略

最も強いものが生き残るのではなく、
 最も賢いものが生き延びるでもない。
  唯一生き延びるものは、変化できるものである
    ダーウィン
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 自分ひとりでは観る事はないが、家族が観ているとついつい観てしまうテレビ番組というものがある。そのひとつが土曜日にやっている「エンタの神様」というお笑い番組である。ここでは比較的芸歴の浅いお笑い芸人さんが多数登場し、毎回毎回お笑いを提供してくれる。子供たちが大好きでよく観ているため、観るとはなしに観る機会が多い。

 もう20年以上前であったが、漫才ブームなるものが世の中を席巻した。
あの時は様々な漫才師たちが登場し、あちらこちらのメディアを随分とにぎわせたものである。「エンタの神様」は、もちろん漫才もあるが、いろいろな芸人が漫才に限らず思い思いの芸を披露してくれる。

 けっこう面白いものも多いのであるが、ふと気がついた事がある。
それは「一発芸的なもので売り出している若手が目に付く」という事である。
面白い事は面白いのであるが、所詮「一発芸」である。
お笑いの世界で生きていこうとしたら、当然「一発芸」で生き残れるわけがない。
そういう事を意識して考えてやっているのだろうか、と疑問に思うのである。

 例えばヒライケンジという芸人。その名の通り「平井堅」の真似で売っている。しかし、「いつまでも平井堅でいいのか?」と問わずにはいられない。確かに面白いが、いずれ飽きる。
 物まねといえばその昔、コロッケのデビューは衝撃的であった。男だろうが女だろうが見事な物まねだった。そんなコロッケが今でも生き残っているのは、その物まねを進化させ続けてきたからだ。
「平井堅」だけでいつまで食えるのだ?

 子供たちは一発芸が大好きだ。「そんなの関係ねぇ~」とかよくやっていた。
面白いからいいとは思うが、今は誰もそんな事はやっていない。
その次のネタがあるのかどうか、芸能界に疎い私だからか聞えてこない。
妙な踊りや掛け声を売りにしている芸人たち。
一発芸としては面白いが、10年後、いや1年後にその踊りや掛け声でお客さんを笑わせられるのか?

 ビートたけしや島田紳助は、漫才から見事転進し今でもトップを維持している。島田紳助の『ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学』を読むと、彼は実に考えに考えて自らの身を処している事がわかる。その場その場で行き当たりばったりで今の地位を築いたわけではないのである。そんな哲学ないし戦略が彼ら彼女らにあるのだろうか、と思ってしまうのである。

 お笑いの世界は実力オンリーの厳しい世界。安易な一発芸だけで目先のウケを狙った芸は線香花火のごとく消えていく。世の注目を取りあえず集めるのだというだけだと、次に出るのは「あの人は今」のコーナーだ。せっかく人生を賭けたチャレンジをするのだ。他人事ながらよく戦略を練り、哲学を持ってチャレンジすべきだ、と遠いところから思うのである・・・
                  
                      

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