2009年7月14日火曜日

7月14日に思う・・・

 7月14日になるといつも「ああフランス革命の日だな」と思わずにはいられない。
別にフランス革命に思い入れがあるわけではない。なんでそうなったかというと「ベルばら」の影響である。

 「ベルサイユのばら」の存在を知って、漫画を夢中になって読んだのは、たぶん中学生くらいの頃の事だったと思う。当時すでに「マンガ小僧」であった私は、こずかいであれこれといろいろなマンガを買い込んでいたものであるが、一方で少女マンガには目もくれていなかった。顔の半分もある目をキラキラさせて、愛だの恋だのとハートマークが飛び交うマンガには興味のかけらも持てなかったのである。

 そんな私が「ベルサイユのばら」に惹かれたのは、それが歴史上の史実をベースにしたものであったからだった。当時すでに歴史好きであったから、18世紀のヨーロッパを舞台にしていただけで興味をそそられたのである。史実の中に架空の登場人物をあてはめて活躍させるというやり方は、映画『タイタニック』でも使われたが、一つの手法として面白いと思う。そんなコミックにハマってしまい、熱心に読んだのである。

 ただ今からだと笑ってしまうのだが、当時の私には少女マンガを買う勇気がなく、かといって持っている友達もいないし(もちろん女の子の友達に「貸して」なんて言えるわけない)、現代のようにマンガ喫茶もない状況で、苦肉の策として選んだ手段が「立ち読み」であった。自転車でちょっと遠くの本屋へ行き(少女マンガを読んでいるところを友達に見られたくなかったのだ)、毎回1冊と決めて熱心に通って読破したのだ(本屋さんごめんなさい)。

 それはそれで満足したのだが、思わぬ効果をその後実感した。何とフランス革命についてはすっかり詳しくなってしまったのだ。それは受験でも威力を発揮。共通一次試験の選択科目は世界史であったが、フランス革命についてはあらためて勉強する必要などないくらい覚えてしまったのである。

 ハプスブルグ家(マリー・アントワネット)とブルボン家(ルイ16世)の政略結婚から始まり、1789年7月14日のバスティーユ牢獄の襲撃、三部会の召集からテニスコートの誓い、ナポレオンの登場まですっかり頭に入ってしまったのである。受験ではここの部分に本来割くべき労力を他に振り向けられた。極めて為になる「受験対策本」であったのである。

 後年、会社の同僚が「娘がマンガばっかり読んでいて勉強をしなくて困る」と嘆くのを聞いた。何気なく取り上げたというそのマンガのタイトルを聞いたら「ベルばら」が入っていた。その娘さんの趣味に感心しつつ、お父さんにその場で説教をした。自らの体験を語って聞かせ、マンガを一律目の敵にするのは間違っていると諭した。モノによっては親が買い与えてでも読ませるべきものがある、と。

 特に歴史の場合、教科書の文字を追うのはあまりにも無味乾燥過ぎるきらいがある。歴史は生きた人間の営みの結果であり、その一つ一つにドラマがある。1492年コロンブスはアメリカ大陸を発見したが、そこに至るスペイン・ポルトガルの関係等の時代背景、発見までの出来事などのドラマは深い味わいがある。「1492年コロンブス、アメリカ大陸を発見」とだけ暗記してもまったく意味はない。そんな歴史の深い味わいを「ベルばら」では体験できたのである。

 オスカルとアンドレのフィクションももちろん感動的であった(身分制というものを実感をもって理解できるという効果もある)。30年たってもしっかり覚えているから、その効果は絶大だ。一時期「マンガでわかる~」といった何でもかんでもマンガ化して簡単にわかりやすくしようとしたブームがあった。大人にとってはいかがなものかと反発してあまり見た記憶がないが、ある程度の年齢まではマンガも否定すべきものではない。むしろたくさん読んでもいいとさえ思う。

 マンガは間違いなく日本の代表的な文化である。そんな事を思わずにはいられない7月14日なのである・・・

     

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