2009年5月16日土曜日

就活学生に思うこと

人事部長:残念ですが求人はしてないんですよ。会社に今、新しい戦力は必要じゃないですから・・・
求職者 :それならちょうどいい。私は戦力になりませんから雇っても安心です! 
          (出典:『たまにはジョークを』)
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平日丸の内界隈を歩いていると就活学生(我々の時は「就活」などとは言わなかったなぁ)を多く見かける。
我々の時はちょうど売り手市場であったが、今はそうではない。
せっかく決まっても内定取り消しなんて事態もありうる世の中だし、学生さんも大変である。

ところで「彼女たち」を見るにつけ前々から思っている事がある。
就活学生であるか否か、は男の場合はっきりとはわからない。
だが、女性はすぐわかる。なぜなら、いわゆる「みんな同じリクルートスタイルだから」、である。紺の上下に白のシャツ、というスタイルである。

なぜみんな同じスタイルなのだろうと考えると、たぶん日本人特有の横並び意識というやつだろう。
スーツスタイル自体は当然だとしても、なぜみんな同じような紺の上下なのか、と疑問に思う。
しかもせっかくのスーツなのに、入社して一月もすると着なくなるのである。
(たぶんやはりあくまでも就活用という意識なのだろう)
どうせだったら入社してもずっと着られるようなものにすればいいのに、と思ってしまう。
その点、男のスーツは経済的である。

同じリクルートスタイルを選ぶ背景としては、「無難」という事になるのだろう。
下手に目立つ格好をして逆効果になったら、と恐れるのだろう。
だが、人事担当者はそれこそ何百人と面接をするのだ。
次から次へと同じ格好の女性が現れたら、誰が誰だかわからなくなるのではないかと思う。
よっぽどルックスがよければ別であるが、少しでもライバルに差をつけないといけない立場としては不利だと思うのだが・・・

きちんとしたスーツであれば面接でも問題ないし、逆に一人だけ違った格好であれば面接官の印象にも残りやすいはず。よほど失敗しない限りは採用となる確率はぐっと高まると思うのだ。スーツが違うというだけで、面接官も特に注目してくれるはずだし、印象にも残りやすいはずだ(「ああ、あのスーツの娘ね」と面接後の人事担当者同士の意見交換でもすぐに記憶を呼び出しやすいはずだ)金太郎飴のようなリクルートスーツより目立つし、しかも入社後もずっと着られるし、メリットこそあれデメリットなどないと思うのだ。

とは言え、そんな「戦略的な」スーツ選びを出来る子など、例えアドバイスされてもいないだろうな、という気がする。他人と一緒で、例えメリットなどなくても万が一のデメリットがない方が良い、とみんな考えるだろう。みんなが歩く道をみんなと同じように歩いていれば心配は少ない。我々の社会はそういう社会だ。

だけどちょっとだけ、脇にそれて新しい道を切り開いてみる勇気というのも、若者には必要なのではないかと思う。閉塞感漂う社会に必要なのは、新しい道を切り拓くことができるパスファインダーだ。何もみんながビル・ゲイツになる必要はないが、ほんの少しだけでもみんなと違う道を目指す意識は持った方が良いだろうと思う。

組織に入る前から、「無難」を選ぶのも、寂しい気がしてしまう。
かくいう自分も何かと「決まり事」の多い組織にいるが、そういう意識だけは常に保ち続けているつもりである。一人でも「そうだな」と思って、私の意見の正しさを証明してくれる人が出てくれば、うれしい限りだと思うのである・・・

    

     

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