2023年4月18日火曜日

部下を育てる

 先日の事、会社で利用しているあるセキュリティ機器が老朽化してきているので更新したいと担当者が相談に来た。それももっともなので、見積もりを取るように依頼したところ、2パターン用意してきた。1つは従来の範囲のもの、もう1つは従来よりも範囲の広いものであった。値段はもちろん後者の方が高い。そこで両者の内容を確認し、どちらがいいかと尋ねたところ、「業者は後者をお勧めしています」とのこと。そこで「あなたはどちらがいいと思うか」と問うたところ、不意をつかれたのか、少し躊躇して「後者がいいと思います」と答えた。

 このパターンになると、ついつい私もツッコミを入れたくなる。「なぜそう思うのか?」と続けると、「今は後者の方が主流だという話ですし、セキュリティも後者の方が高いです」と答える(値段ももちろん高い)。「なぜ主流の方がいいのでしょうか?」「なぜセキュリティが高い方がいいのでしょうか?」と私も続ける。意地悪のようであるが、「なぜ、なぜ」を繰り返すと物事の本質が見えてくるというのはトヨタ流の改善で有名になった考え方である。担当者も最後は「そりゃぁ、高い方がいいのでは」と呆れたように答えてきた。

 そこで、「なぜここまでのセキュリティの高さが必要だと思うのか?」、「今のセキュリティでどんなリスクに晒されているのか?」と畳み掛ける。ここに至ると担当者の口ぶりも怪しくなってくる。「今はいいかもしれませんが、いずれ・・・」とまだ頑張って答えてくる。「いずれどういう状況が予想されますか?」「その時になって我が社の状況がそこまでリスク管理が必要な事業内容に変わるということでしょうか?」と問う。ここまできてようやくギブアップとなる。

 セキュリティはもちろん、高いのに越したことはない。より安全度が高まるわけである。しかし、それが「過ぎたるもの」である必要はない。年末に町内会で火の用心の見回りが行われているが、その時に防弾ベストなどいらない。そんなの用意するのも大変だし、何より邪魔である。業者の勧める一歩先進のセキュリティも、安全性は高まるだろうがその分余計な手間も増えたりする。何よりそこまでセキュリティを高める必要性が我が社にはない。他所の会社は知らないが、少なくとも我が社には不要である。

 ここで明らかになったのは、担当者が何も考えていないという事。なぜ最初の段階で前者と決めて指示しなかったのかと言えば、それは考える訓練のつもりである。かの担当者は、日頃から言われたことはきちんとこなし、その仕事の質も高いが、その反面自分で考えるという事をしない。今回も業者の勧めるままそれをストレートに私に伝えるだけである。単なるメッセンジャーである。これでは良くないと思い、せめてもう少し自分で考える習慣をつけてもらおうとあえてイジワルしたのである。

 業者も商売であるから、よりセキュリティ度の高い(お値段も高い)ものを勧めてくる。その際、担当者であっても自分で一旦考えないといけない。業者から言われたままを伝えるのではなく、まず自分で考え理解し、自分の言葉で(自分の考えとして)上司に説明する必要がある。そういうスタンスをまず身につけてもらいたいと思うし、その上で「本当に必要なのはどこまでか」を見極める必要がある。もちろん、そこにはさらにコストという面もある。コストもかければいいというものではない。

 上司はもちろん、それをすべて勘案した上で決定を下すのであるが、それをすべて勘案し、あとは上司が「うん」と言うだけにして提出すれば部下としては完璧であり、そうなればその部下はいつ昇格してもやっていけるということになる。また、上司の立場にある者も、部下がそういう方向に進むように導かないといけない。それでいて部下の成長もあるのである。上司も仕事のやり方1つで部下の育成ができるのである。

 今期より我が社も社員の育成に努めている。社員を育てられる上司を私も意識していきたいと思うのである・・・

Ian LindsayによるPixabayからの画像 

【本日の読書】

 


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