2017年2月19日日曜日

叱る事

先日の事、高校生の娘が無断外泊をした。と言うと穏やかならざる事態が想像されるが、泊まった先は同級生の女の子の家で、もともと何やらみんなでやりたい事があって、妻には許可を求めていたらしい。ところが娘の生活態度に一部問題があり(まぁはっきり言って受験勉強のやりすぎによる「燃え尽き症候群」だ)、その改善がなされなければダメと妻には言われていたらしい。ところがそれをクリアできず、差し迫った約束の時間の中で、「強行突破」したと言うのが真実である。

妻は当然のことながら烈火の如く怒りまくり、その勢いは何もしていない私もとにかく反省しなくてはと思わされるほどであった。娘とはスマホで簡単に連絡が取れるものの、当日は妻からのメールもLINEも無視すると言う(私にはとてもできない)、なかなか「度胸のある」態度であった。結局、すったもんだした挙句、その日は友人宅に泊めてもらい、翌日帰宅してから「話をする」と言うことになった。私であればもう家には帰らないであろう状況である。

翌日、早めに帰宅した娘。妻は幸い外出して帰りは夕方という状況、私は娘と話をすることにした。それは、妻に「あなたからもガツンと言って」と言われていたからではなく、父親としてやはり言っておくべきだろうと思ったからである。そして娘を目の前に座らせ、3分ほど静かに話をして解放した。妻が見ていたら、「なんて甘いのだ」とこれも烈火の如く、攻撃の矛先を私に向けてきたことであろう。

しかし、私には私なりに「叱り方」についての考えがある。妻の叱り方は、激情型だ。息子を叱るにも、頭から怒鳴りつけ、そして理を説きながら徹底して隙を追求するというものだ。問われた方は、正直に気持ちを言えばまた怒られるから黙っている。そうするとなんとか言えとしつこく追及され、ポロリと本音を漏らすとさらに怒りを買う。長い叱責の時間に嫌気がさし、投げやりな言葉を吐くとまたくどくどと説教が続く・・・案の定、帰宅した妻の叱責は1時間半に及び、娘は泣きはらした目で夕食の席に着いた。

妻に文句を言われようと、こうした叱責が効果があるとは思えず、従って私としてはもっと効果的な方法をと考えているのである。それが静かに諭すということである。もともと性格的に怒るのは好きではない。もちろん、喧嘩となれば今でもビビったり怯んだりすることはないが(相手によるが・・・)、叱るということになると、そうすればいいというものではないと思う。幼少期なら、怒って怖がらせて躾けるということもあるだろう。だが、子供も大きくなったらこちらも考えないといけない。

頭から怒鳴っても、もう心の底まで届かないだろう。「うるさいなぁ」とか「早く終わらないか」とか、我が身を振り返って見てもそう思うに違いない。叱る目的が、自分の怒りの発散なのかそれとも教育なのか。教育であるならその目的を達成できる手段を選ばないといけない。自分の経験からすると、基本的に叱責とその反省効果は、時間に反比例すると思う。「長ければ長いほど効果はない」と自分は思うのである。 

それは実はビジネスの現場でもそうではないかと思う。銀行に入った時についた最初の上司はとにかく厳しい人で、私の横で先輩の主任さんが半日立たされていたこともあった。係の先輩たちはとにかくその上司の叱責を恐れ、縮こまって仕事していた。とにかく失敗しないようにと。そんな環境の中で、「何かにチャレンジしろ」などと言われても絶対できなかっただろう。みんな間違えたり失敗することを恐れるのではなく、怒られることを恐れていたのである。

二人きりで、「ちょっとそこに座れ」と言われれば、娘も「来たな」と思うであろう。目の前に座った娘は、怒られると思って帰って来たわけで、それも普段何も言わない父親が改まって言うことで、当然緊張感は相当高まっている。娘の神妙な顔つきがそれを物語っており、それだけで教育効果は半分以上あったと思う。そして言ったことは、「自由には責任が伴う」ということで、要はやりたいことがあったら、きちんとした生活態度を維持しなさい、それが自分に対する信頼につながり何かやりたいと思っても「この子なら」と許可してもらえる事に繋がるのだということである。それは今後の人生でも当てはまる。

言うだけ言って、「以上、しっかりやりなさい!」と解放した。娘がそれをどう捉えたかは正直わからない。母親の長時間にわたる叱責に逆ギレ的な反論もしていた娘だが、翌日には母親と二人仲良く風呂に入っていたし、母娘の関係には父親には入れないものが確実にあると思うから、理屈通りにはいかないのかもしれない。だが、少なくとも両親からそれぞれ長時間叱責されるのは、さすがに効果も薄いだろうことは真実だと思う。妻は妻、自分は自分で思う通りにやるしかないと思う


叱ることについて、考えるいいきっかけになったことは事実である。我が家にはもっとやんちゃな息子もいるし、「効果ある教育的叱責」をこれからも考え続けたいと思うのである・・・




【今週の読書】
 
      

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