2010年10月21日木曜日

ラクビーシーズン

ラグビーシーズンに突入した。
お正月の全国大会で一部のチームが脚光を浴びるが、その前段として今は全国各地で社会人から高校生まで熱戦が繰り広げられている。

我が母校のラグビー部は、関東大学対抗戦Bグループに所属している。
昔はA・Bなんてグループ分けはなかった。
対抗戦とは名前の通り大学対抗戦であり、『定期戦』という名目で各大学が年に一度互いに実力を競い合う場であった。そこには順位など存在せず、あくまでも大学間の1対1の交流だったのである。

仮にであるが、もしも早稲田か慶応のどちらかがBグループに転落すると、両校間で対抗戦グループの公式戦はなくなる。しかし両チームは11月23日には必ず『定期戦』を行うだろう。
『定期戦』とはそういうものなのである。

戦後、ラグビー部が各大学に設立されるようになると、やがて新興勢力がリーグ戦グループを形成していった。これに対し、対抗戦グループはあくまでも伝統の『定期戦』重視で、リーグ戦グループとは交わらなかった。しかし、全国大会が開催されるようになると、出場権の関係で必然的に対抗戦グループも順位付けを迫られるようになっていく。
1対1の交流では済まなくなってしまったのである。

それでも当初、私が学生の頃は、『定期戦』の結果を踏まえ便宜的に順位をつけていた。
それが変化していったのは、大学によって『定期戦』の数が違い、平等な順位付けが難しくなっていったからだ。例えば帝京大学などは1シーズンで10数試合の定期戦を組んでいる一方、保守的伝統校の筆頭である慶応大学などは、7試合というあり様だったのだ。試合数の多い帝京大学は不利だし、しかも慶応と帝京は定期戦がないなどの事情により、必ずしも公平な順位付けが難しかったのである。

そして時代の流れに抗えず、対抗戦グループもとうとうその信念を曲げ、試合数の統一と同時にA、Bのグループ分けを実施したのである。リーグ戦のように1部・2部としないでA・Bとしたのはせめてもの意地であろうか。我が大学は、現在その対抗戦Bグループの中堅~下位のあたりをうろうろしている。選手を集められない国立大学としては、Bグループといえども上位の壁は厚いのである。

その上位の筆頭は青山学院大学、そして明治学院大学が続く。
青学は今年大幅に全国レベルの選手を補強。
来年のAグループ復帰を目指して、大学を挙げてのサポートだ。
明学も集める時とそうでない時の波がある様子。
私が4年の時は集めている時で、相手のメンバーを見たらキャプテンを除いて全員1~2年生という事もあった。

それに比べると我が大学の後輩たちは、新入生集めで苦労し、初心者構わず引き入れて1人前にしていくというあり様である。まあそれが大学スポーツの本来のあるべき姿なのだが、自ずとそこには限界もある。幸いそれは我が大学だけに限った事ではない。
先の青学、明学以外は同じ条件だ。
その中で切磋琢磨するのである。

今はグラウンドも人工芝が流行である。
我が母校もそうなっている。
(OBとしてかなりの寄付をさせられた・・・)
9月のシーズンインから秋も深まり、乾いた土と枯れた芝の匂いに包まれ、その年限りのメンバーとともに泣き笑いの数カ月を過ごす。
そんな風景は今は一変しているのだろう。
女の子に縁はなかったが、あの時代は我が人生でも誇りに思える時代である。

今の学生は人工芝で、泥はおろか、埃にまみれる事すらない。
それがいいのか悪いのか。
しかし、今は今の時代の思いがきっとあるだろう。
埃にまみれる事はなくても、誇りある思い出を作ってもらいたいと思う。

現在ここまで2勝2敗。
これから上位陣との対戦であり、次回の相手は強敵青学だから、ちょっと苦しい。
老OBからは負ける事を前提に、「(点差を)50点以内に抑えてほしい」というコメントがあった。
始めから何だという気分だ。
ゲームに負けるのは仕方がないとしても、ハートでは負けてほしくない。
「ロッキー」のように、胸を張ってノーサイドまで闘ってほしいと思うのである・・・


【本日の読書】
「渡邉美樹のシゴト進化論 」渡邉美樹
「アヴェンジャー(下)」フレデリック・フォーサイス
     

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