2010年5月11日火曜日

基地問題

沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ
                        海軍中将 大田 実
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鳩山さんが普天間問題で窮地に陥っている。
まあ自業自得的なところがあるから仕方がないのかもしれない。
一国の首相だから当然政策ブレーンも一流の人が付いているはず。
ニュースでしか知り得ない我々とは到底比べようがない情報があるはず。
その上で政策を決めているのだからああせざるを得ないのかな、とも思うのだが、素人の私でも「基地は沖縄以外に移しようがない」とずっと思っていたので、どうしてあんなに迷走するんだろうと不思議である。

日本人は戦後、アメリカの薬が効きすぎてすっかり戦争アレルギーになってしまった。
もちろん、それは悪くないのであるが、世の中に警察が必要なように軍事力は不可欠なのだと思う。
核兵器と一緒で使わなくても、だ。
むしろ持っていて使わない努力をする事が大切なのだろう。
世界の先進国はみなそうだ。
国益の為に積極的に戦争をしているのは、いまやアメリカだけだ。
使わなくとも必要なもの、警察官の拳銃のようなものであろうか、軍隊とはそんなもので米軍にやってもらうのが嫌なら自分たちで賄うしかない。

本当は順番が逆のような気がする。
米軍が必要だという事を国民の間にもっと浸透させないといけない。
私自身どのくらい必要なのかと聞かれたら、何となく必要なのだろうという感じしかしない。
実際は中国の脅威とかもっとあるみたいだし、そうした情報を開示して国民に理解を求めないと、たぶん「米軍なんていらないじゃん」とどこかの党首のおばさんみたいに思っている人もたくさんいるはずだ。

連日の騒動なのに、国民の大半が、「何かやっているな」くらいにしか思っていないのではないだろうか。自分たちのところに来るとなったら猛反対するが、よそならいいやと思っているのではないか。本当はもっと国民的な議論にならないといけないはずだ。鳩山さんだけが頭を下げる問題ではないはずだ。

ある人が語っていた。
雪国に住んでいたら「雪は嫌いだ」などと言っていられない。
嫌なら出ていくしかない。
それと同じで、国境では必ず国防という問題を避けて通れないと。
国境に住んでいたら基地は嫌だとは言っていられない、と。
その意見には一理あると思う。

ただ「だから仕方ないだろう」と押しつけるのもいかがなものかだ。
その分、何かで優遇はされるべきだろう。
住民税がタダとか、固定資産税がタダとか、授業料がタダだとか、他にはないメリットがたくさんないとそれは不公平というものだろう。
みんな問題の本質をよく理解しないまま、人ごとだと思って鳩山さん一人をダメな首相だと言っているような気がする・・・

冒頭の大田中将の決別電報は有名なものだが、何度読んでも胸が熱くなる。
こうした過去も踏まえ、もっと国を挙げて深い議論をするべきではないか、と思うのである・・・

【本日の読書】
「職業“振り込め詐欺”」NHKスペシャル取材班
「パラドックス13」東野圭吾


      

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