2019年7月15日月曜日

オヤカク

ヤフーニュースを見ていたら、たまたま「オヤカク」なる言葉とその説明があった(【我が子の就活、オヤカクしますか 望む仕事と親の思い】7/14() 7:47配信)。「オヤカク」とは、記事によれば「内定者の親に企業が入社意向を確認することを指す造語だ」そうである。内定者の方でも、希望の就職先から内々定をもらったが、親に意見を求めたところ反対されて内定をキャンセルしたという例もあるという。個人的には「いい年こいて親はないだろう」と思わずにはいられない。

親に意見を聞くこと自体否定はしないが、問題はそのスタンスだ。自分で判断をするにあたり、どうしても判断材料に乏しいということはある。人生経験も短い中で、(ひょっとしたら)一生に関わる決断を下さないといけないわけであり、人生経験豊富な親に意見を求めるというのは悪くないし、むしろ好ましいかもしれない。ただ、それはあくまでも判断主体が「自分」というのが前提である。親の意見はあくまでも参考意見であり、自分で良しと思えば親が反対しようがやるだけの意思がないといけない。

記事だけでは個々の具体的なケースの実情はわからないからなんとも言えない。ただ、親に反対されて素直に「親がそう言うなら」と言う理由で従うなら問題である。要は「自分で決断できない子」であることの証であるからである。小学生の頃から親の言われるまま塾に行って勉強し、言われるがままの高校を受験し、大学もその調子で行ったような様子だといつまで経っても大事な決断はできないままになってしまう。そんな有様だと結婚相手も親の意見に左右される情けない人間になるだろう。

それに人生経験豊富といっても、親の経験は過去のものであり、あくまでも過去(にはうまくいった)の成功体験な訳で、たとえれば30年くらい前のOSで動いているパソコンなわけである。人によっては最新アプリを搭載しているかもしれないが、そのあたりは聞く側も意識しないといけない。それに子供の性格は親の性格とはまた異なる。親にはできても子供にはできないかもしれないし、その逆もまた然り。それに加え、将来のことはわからないと言う決定的な要因もある。JAL(実質的な)倒産するなんて30年前に我々が就職するときには誰も想像もしなかったことである。

そんなわけで、例えば自分が就活を迎えた時に子供から意見を求められたとしても、いいアドバイスができる自信がない。どこの企業にしろ「ここに入れば大丈夫」なんて企業はないし、「これがあれば大丈夫」なんていう資格があるわけでもない。まぁ医師免許くらいなら大丈夫かもしれないが、弁護士だってそれだけで大丈夫とは言い切れない。弁護士資格「も」あれば大丈夫とは言えるかもしれないが、弁護士だって食えない人はいるのである。

あえて言えば、「どんな状況においても生きていけるだけの力をつけよ」ということだろうか。それは何も資格を取るということではない。むしろ資格なんて「あれば何かの足しにはなる(ないよりマシ)」という程度である。一生懸命資格を取る勉強をしている人は多いが、そういう視点を持っていないと、残念な「勘違い君」になってしまう。資格を取ったらそれを「どう生かしていくか」を考えないと、社内での昇進になど欠片の役にも立たないだろう。

我が身を振り返ってみると、やっぱり「長期的視点」に決定的に欠けていたと思う。「今目の前のこと」をそれなりに一生懸命やってはいたが、「5年後の自分を想定して今何をやるべきか」といった視点はまったく持っていなかった。銀行の中で、さらにはもっと広い世界でうまくできなかったのはそんなところがあったかもしれない。考えてみれば、そんなアドバイスをもらえそうな先輩はたくさんいたわけであり、つくづくぼんやりしていたものだと反省するところ。それは我が子にはアドバイスしてあげたいところである。

それをしっかりと伝えられたなら、どこに就職しようがあまり大差ないとも言える。そのアドバイスが正しいかどうか、可能なら自分で若返って実践してみたいところである。親に意見を求めるなら、そうした「社会での生き方」のところでの参考意見だろうと思う。「どこの企業がいいか」なんて親に聞いてまともな意見が返ってくるわけがない。ましてや、記事中にあるような「近くに住んでほしい」なんて理由は尚更である。その企業が潰れたり、あるいは子どもが鬱になって出社できなくなったりということだってありうるわけである。

 少子化で気になるのは、いつまでも子離れできない親、親離れできない子の組み合わせかもしれない。オヤカクで内定辞退するような子は、逆に企業にとっては採用しなくてよかったのかもしれない。何やら情けない風潮に思えてならない。我が子はつくづく、自分の足でしっかり大地を踏みしめられるような人間になるようにしたいと思うのである・・・






【今週の読書】
 
  
  

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