2019年7月21日日曜日

2019年参院選雑感

今回は何となく盛り上がりに欠けるような気がしていた参議院選挙であるが、例によってきっちり投票を済ませてきた。前回はきちんと初投票を済ませた我が娘だが、今回はもう興味をなくして、ママ同様に棄権してしまった。18歳になって手にした選挙権ももう興味の対象から外れてしまったらしい。あるのが当たり前になると、人間はもう大事にしなくなるものであるなと改めて思う。

しかし、娘の立場に立ってみると、「誰に投票したらいいのかわからない」「面倒臭い」という理由があるようである。たとえ行ったとしても、選挙会場に行ってその場で目についた候補者や政党に行き当たりばったりで投票することになるが、それが果たしていいのかどうか。そんなのでも「行った方がいい」と言えるのだろうか。今回の投票率はわからないが、おそらくそんなに高くはないだろう。高ければ高いほどいいのか、やはりみんなもっと選挙に行くべきだとは思うが、行かない人を非難できるのだろうか。なかなか難しい問題だと思う。

私の場合、一応各候補の主張には目を通す。たとえそれが絶対に投票しない共産党であってもである。それぞれの主張は考えるネタになる。共産党は「最低賃金時給を1,500円に」と主張する。だが、中小企業には人件費の上昇はかなりイタイ。そこは支援金を抜本的に増やすというが、すべての中小企業に支給されるのか、そのための財源は、と疑問がわく。「減らない年金」と耳当たりだけは心地よいが、裏付けは大丈夫なのかと思う。

消費税増税反対は各党主張しているが、それでも財源に言及しているのは(選挙公報上では)共産党だけ。増税反対は確かに魅力的だが、財源を確認しないと後で(年金生活に入ってから)ツケを回されても困る。主張にある程度筋が通っているという意味ではいいと思うが、もう少し深い考察が必要な気がする。例えば財源として大企業に対する課税強化について挙げているが、企業の国際競争力、海外企業に対する投資誘致という点ではマイナスになるわけで、その点をどう考えているのかは興味深い。

娘のような「誰に投票していいかわからない」人たちがみんな選挙に行くようになると、選挙結果は毎回コロコロ変わる気がする。各政党ともますますポピュリズムに走り、目先の心地よい主張しか掲げなくなるのではないだろうか。今回で言えば、「年金増額」「消費税増税反対」のような。その結果、「長期的視点に立った政策」が取られなくなる懸念が出てくると思う。あたかも四半期決算の導入によって、アメリカの企業が短期的な株価上昇施策しかやらなくなっているように。

低投票率は何とも嘆かわしいと思うが、本当のところはどうなのだろうか。よく考えた少数の人の意見で国を動かすべきなのか、なぁんにも考えない人たちも含めてとにかく高投票率をよしとするのか、果たしてどちらがいいのだろうかはこの頃よくわからない。安倍政権を倒したい人は、選挙に行かない人たちは安倍政権を利するだけだと嘆いているが、果たしてそうなのだろうか。投票率が低くても、選挙に行く人だけで政治家を選んでいけば、それはそれでいいような気もする(現実それしかないのであるが)。今日のところは、選挙に行かない我が家の妻と娘を「代表して」私が投票してきたのだと思うことにしようと思う。私の票は3票分なのである。

その安倍政権であるが、今回の結果も安泰そうである。いろいろと批判はあるが、安倍総理は外交面ではかなりの成果を挙げていると思う。あまりニュースでその意義が説明されていないが、どうしてあまり評価の声を聞かないのか不思議な気がする。批判すべき点もあると思うが、総じて自民党に変わりうる野党がないというのが現状である。当面はこれでいいと思う。ただし、個人的にはもっと対抗しうる政党が育って欲しいと思うゆえに、今回はあえて自民党には投票しなかった。私の1票など、丸川珠代さんにも自民党にも不要だろうからである。

 自分の1票を何に投じるか。全体的にはちっぽけな1票であり、影響力は極めて極小である。しかしながら、「3票分」であるし、何より自分の大事な1票なので、そこはこだわりたい。というわけで、某政党とその候補者に投じてきた。幸い、新聞の各候補の獲得投票「数」は1票単位まできちんと表示される。そこに自分の1票を見出して満足したいと思うのである・・・






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