2018年5月10日木曜日

30年


大学を卒業したのは1988年の3月。つまりちょうど30年前である。この春は私が社会人になって30年目の節目となる年なのである。30年前、大学を卒業した私はそのまま都市銀行に入行。同じ大学から一緒に入行した同期は22名であった。全体で何人入行したのかは忘れてしまったが、有名私大ほどではなかったにしても結構多い方だったと思う。その時の同期の仲間と久しぶりに再会した。

 集まったのは、現在東京に勤務している者14名。14/22だからわりと集まった方だと思う。これだけ集まったのは、内定が決まってからみんなで「拘束旅行」として連れていかれた時以来だろうと誰彼ともなく声が上がったが、事実、入行してからこれまでみんなバラバラの道を歩いてきている。関東配属組と関西配属組に別れたところから始まり、独身寮もバラバラ、おまけに配属支店もバラバラだったから余計だろう。

 個々には会っていたりする仲間もいたが、早々に辞めた者など20年ぶり、あるいはほとんど入行以来という仲間もいて、それはそれは懐かしい集まりであった。久しぶりの集まりとなると、気になるのはお互いの容姿の変貌。昨年暮れに高校の先輩の集まりに参加したが、ほとんど37年ぶりに会った先輩の中には、まったくその人とわからない人もいたからである。それについては、髪の毛とお腹周りが笑ってしまうほどの変化のある者もいたが、それほど酷い変貌がなかったのが残念でもある。

 もう1つ気になるのはお互いの現状。なにせ銀行は50代前半でほぼ銀行内でのキャリアを終える。そこから一度退職金をもらって、関連会社か一般の事業会社を紹介してもらって「転籍」する。体のいい人件費削減策(あるいはポスト確保策)であるが、銀行に残っているのは少数派である。そして互いの序列についても微妙な雰囲気が漂う。やはり同じ大学を出ていたとしても、それぞれの歩みの中で出世するスピードも異なる。同期だから飲み会の時は昔と同じだが、同じ職場で働くとなったら「身分の違い」がはっきりと表れる。

 私はもう銀行を退職してしまっているから関係ないが、男の場合、どこかでそういう「お互いの地位」を意識することがある。別にそれで態度が変わることはないが、どこかで意識し合っているのは確かだと思う。ただ、それもみんな銀行を退職、あるいは転籍して離れてしまうまでなのかもしれない。少なくとも、自分はもう気にならない。確かに転職したところは小さな中小企業に過ぎないが、それでもある程度自分に自信があると不思議なことに引け目は感じない。

 転籍仲間は、従業員2,0005,000人なんて規模の大きな会社に行っているのもいて、会社の規模では私とは蟻と象くらいの差があるが、毎日楽しく充実して仕事をしていると、そういう規模の差も気にならない。会社を発展させるのも自分の腕一つだし、うまく生き残っていけば定年など関係なく働ける。「鶏口となるも牛後となるなかれ」ではないが、ストレスもなく働けるいい環境が一番だと思う。

 30年前には想像もできなかった互いの姿であるが、久しぶりに空白を埋められていい機会であったと言える。これからみんな暇になるし、また集まる機会も増えていくかもしれない。大学時代はほとんど互いに交流もなく、ただ「同じ大学を出て同じ銀行に入った」という間柄ではあるが、これもまた一つの繋がりと言える。今年の目標の一つとして、「友人に会う」を掲げていたから迷わず参加を決めた(そうでなかったら行かなかったかもしれない)が、行って良かったと思う。

 これからこういう「再会」も増えるかもしれない。それについては、迷わず参加するようにしようと、改めて思えた一夜であった。それとみんな互いに人生の終盤戦に向かって、今度は出世競争ではなく満足の行く人生を送る競争となる。新たな競争のスタートに、こちらではみんなに負けないようにしたいと思うのである・・・




【本日の読書】
 
    
   

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