2017年9月11日月曜日

北朝鮮問題

ここのところ北朝鮮問題が賑やかである。ICBMの発射実験や米国への挑発など。以前からミサイルの発射だとか核実験だとか行われていたが、最近のそれは米国への露骨な挑発(グアムへのミサイル発射予告)が出てきたり、あるいは日本国内でもJアラートが発せられるなどして様相が変わってきている気がする。先日はついにミサイル落下にそなえて小学生の避難訓練が行われたと報じられていたが、煽られる危機感とは裏腹にどうも疑問が生じてやまない。
「本当に重大事なのだろうか」と。

安倍政権を批判する人たちは、特定秘密保護法案や集団的自衛権などの法改正、そしてその先にある憲法改正の動きに対して猛反発している。私個人としては、基本的にこれらに対しては賛成であるし、反対論は概ね「感情論」で同意できないと考えている。しかし、賛成論者が北朝鮮の挑発に対して、「危機」を唱えるのを聞くとどうしても違和感を覚えざるを得ない。北朝鮮問題の本当の問題って何だろうとあらためて思うのである。

そもそもであるが、北朝鮮が我が国に対して攻撃を仕掛けてくるという可能性があるのかというと、どうしてもそうは思えない。もちろん、政府には我々民間には明らかにされていないような現場の情報があるのかもしれないが、ニュースだけを見ている素人にはわからない。そしてそういう感覚から言えば、ミサイルに対する避難訓練などはまったく必要がなく、何か裏があるのかと思えてしまう。

北朝鮮の挑発行為の相手はあくまで米国であり、その目的は自らの存在価値のアピールだと思う。まさか金正恩もアメリカとの戦争は考えていないだろう。中国もロシアも北朝鮮の行動に面と向かって反対しないのも、北朝鮮が潰れて韓国が全土を統一して親米化するのは回避したいと思うからだろう。北方領土をロシアが返したくても返せないのは、そこにアメリカのミサイルを配備されたくないからだと言われているし、それもそうだろうと思う。そうすると国連決議をいくら重ねようとあまり効果はないのかもしれない。逆の立場になって考えてみると、そう思えてくる。

この「逆の立場にたって考えてみる」というのも実は大事なことだと思う。もしも暴れているのが韓国で、そのターゲットが中国とかロシアとかで、北朝鮮が何とか双方を取り持とうとして右往左往しているとしたら、我が国もそれほど大騒ぎはしないであろう。シリアの内戦にどこか他人事であるのと同じで、ヨーロッパの人々のこの問題に関する関心もきっと薄いに違いない。ロシアと中国の感情もきっとそうなのであろうと思う。向こう側から見ると、違う世界が広がっていると思う。

そもそも核を背景に力で世界を思い通りにしようとしている筆頭は何といってもアメリカであり、ロシアや中国はそれに対して挑戦(あるいは抵抗)しているわけである。北朝鮮もその同じ理論で己の立場を強化しようとしているわけであり、本来「平和を分け合う」という思想で互いに譲り合えば争いなど起きようがないと思う。ではアメリカを批判すべきかと言えば、我が国の立場としてはそれをやってアメリカから離れれば、たちまちわがままなオオカミの群れの中で羊が一匹孤立するようなものだろう。まだ世界は無邪気に信頼できるところではなく、そこが難しいところだと思う。

Jアラートも万が一のためにはいいのかもしれない(何といってもミサイルはメイド・イン北朝鮮なわけであり、その気がなくても飛んでくるかもしれない)が、北朝鮮が本気で我が国にミサイルを撃ち込んでくるとは思えない。危機を煽るのは、ひょっとしたらアメリカの意向があったり(忖度かもしれない)するのかもしれない。安易にマスコミ報道に乗せられるのもいかがなものかと思う。「平和ボケ」もまずいだろうが、その反対も当然まずいわけである。

そうした世界情勢の裏側をきちんと報じてくれるマスコミがあれば、心底安心だし信頼もするが、産経や朝日などの両極論の論調を始めとしてマスコミの報道を見ていると、我々庶民は当面闇夜を手探りで進まざるを得ないのが嘆かわしいところである。ただ一つ確実なのは、今の世界で核兵器だICBMだといまだ20世紀の考え方で己の立場を通そうとしている北朝鮮は、やはり異常なことだということである。この乱暴狼藉を働く者を間近の立場としてどうすべきか。悩ましいことだと思う。

私としては、政府にはアメリカにはいい顔をしつつも、裏ではしっかりと国民と国益のために最善を尽くしてほしいと思うのみである・・・






【本日の読書】
 
     

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