2012年3月18日日曜日

親父として

昨日は息子の卒園式。
そして今日は謝恩会。
妻は息子と二人で出掛けて行く。
娘と二人、何をして過ごそうかと思っていたら、本人は映画を観たいという。
そこで、「ヒューゴの不思議な発明」を観に行った。
娘にとっては、念願の字幕デビューであり、そしてあわせて3Dデビューでもある。

映画はともかくとして、今日は娘と二人っきりでいろいろと話をしてみたかった。
気になっている学校のこと、本や映画の魅力、勉強のこと、そして子供に伝えたいこと。
そんな事を、じっくり1対1で語るにはいいチャンスだと思った。
そして、実際その通りであった。

以前、【わが子を強運にする51の言葉 ビジネスの成功者が娘に遺した人生の極意】という本を読んだ事がある。某上場企業を創業した父から教えられた言葉を、著者である娘が一冊の本にまとめたものである。いつか自分の経験して学んだ事を、子供たちに教えたいと考えている私にとっては、こんな風に子供に残る事を教えられたらと思わされる本だ。
とは言え、こんな本になるような立派な事は、とても残せない事は自覚している。
だからせめて身の丈にあった事を、との思いがあるのである。


学校で受けている嫌がらせの事は相変わらずのようだ。
言葉少なめで、明らかに話したくなさそうだったので、あまり根掘り葉掘りは聞かなかった。
妻も聞いているし、もしかしたらあまり親には言いたくない事なのかもしれない。
ただ自分は全面的にお前の味方だよという事は伝えて、この件は打ち切った。

一方で、映画の感想は、やっぱり話がはずむ。
映画は、第一次世界大戦からしばらくあとの時代のフランスが舞台。
映画の背景を理解するにはいろいろな知識が必要だ。
いずれ学校で歴史の授業はあるだろうから、そうした歴史を学ぶ楽しさを、この映画を例にして語ってみたりした。受験のためではなく、歴史を学ぶ楽しさを知ってもらえたら、と思う。

子供の頃、親父に「学校の勉強がちょっとぐらいできたって、こういう事がわからないとダメなんだぞ」とよく怒られた。人としての常識などの事だ。その都度、「じゃあそういう事さえわかれば勉強しなくてもいいんだな」と内心反発したものである。一方で勉強をしろと言いつつ、肝心な事は教えもしないで都合のいい時だけ、都合のいい怒り方をするなよと思ったものだ。まあ親父も若かったし、私も子供だったのだ。そんな事もあって、娘には「勉強とあわせて人との接し方を覚えないといけないよ」と語ってみた。
    
娘は真面目で正義感が強い。
例えば学校での掃除も、きちんと決められた事を真面目にやる。
しかし中には、そうでない子も当然いるが、娘はそういう子に「先生に言いつけるよ」と注意するらしい。言っている事は正しいが、問題は言い方だ。
言い方一つで正しい事も相手には伝わらないものだ。

妻には言いたくても言えない事だが(言っても馬耳東風だろう)、子供には言える。
注意するのではなく、「(あとはやるから)ここだけやって」と言ってみたらと提案してみた。そうかなぁという顔をしつつ、「でも(良い子)ブリっ子って言われちゃうよ」と反論を受けた。なるほど、それはそうかもしれない。ただ気持ちだけはそういう気持ちを持ちなさいと諭したら、「うん」と答えてくれた。

まぁすべて伝わるとは思わないし、娘には娘の感性というものがあるだろう。
自分の言う事が正解かどうかもわからない。
ただこれが自分の考え方だという事を、少なくとも子供には言いたいと思う。
受け入れるにせよ批判するにせよ、親とこんな話をした、こんな事を言われた、そういう体験を与えたいと思うのである。果たしていつまで耳を傾けてくれるだろうか。

「また説教か」とならないように、苦労して身につけたはずの「人との接し方」を実践しながら、これからも子供たちとはサシでいろいろと話をしたいと思うのである・・・

【本日の読書】

マネー・ボール〔完全版〕 - マイケル ルイス, 中山 宥






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