2012年3月15日木曜日

いじめ

子供たちが寝静まったあと、一緒にコーヒーを飲んでいると「実はね」と妻が話しかけてきた。さり気なく娘に学校の様子を聞いたところ、どうもはっきりしない返事が返ってきたという。そしてやんわりと聞き出していったところ、どうも娘はクラスでのけ者にされているらしいと分かったという。同じクラスの女子の中にボスの女の子がいて、どうやらその子に嫌われて無視や嫌がらせなどを度々受けているらしい。
なかなか心穏やかには聞けない話だ。

実はそのボスの女の子は、1年の時から話題になっていたらしい。5年になってその子が娘と同じクラスになった時、娘を良く知るよそのお母さんから「気をつけた方がいいわよ」と警告されていたようである。娘もどうやら1対1ではその子に負けていない様子。度々言い返したりしていたという話も周りから伝わってきている。しかし如何せん、その子は組織力があるようで、そこで大きな差がついてしまっているようである。5人の直属の子と7人を影響下に治めているようで、同じクラスの19人の女の子のうち実に13人に影響力を行使している。娘を含む残り6人は、バラバラの“無所属”で、多勢に無勢、個人対組織で勝負にならないようである。

男の子の場合は、すぐに腕力を行使する形になるのだろうが、女の子はそうなる事はなく、聞くも細かい嫌がらせの数々が繰り返されているらしい。それもやり方が実に巧妙で、たぶん担任の先生も知らないだろうと言う事である。娘も変わっていて、学校では無視されているのに、塾では対立するグループ直属メンバーの女の子に気軽に話しかけたりして、疎まれているようである。言ってみれば一種のいじめなのだろう。

子供の頃を思い起こしてみると、私にはいじめられたという経験はない。ただ対立はあった。
他のクラスとの野球の試合で、気に入らないヤツを仲間外れにして入れなかった事もあった。
(面白い事に次の試合では逆に仕返しで仲間外れにされてしまったのだ)
今よりもはるかに気が弱く、口喧嘩までは威勢がいいのだが、いざ腕力勝負となると怯んで逃げていたのである(怯まなくなったのは高校でラグビーをはじめて以降だ)。中学の頃も、つっぱりグループとは目を合わさないようにしていたものだ。

娘も徒党を組むのを良しとしないところがあるようだ。
私の性格を受け継いでいるのかもしれない。
だから1対1ではともかく、組織力のある相手に対しては分が悪いのだろう。
幸い近所のママ友がこの状況を知って、同じクラスの息子に言い聞かせてくれていて、おかげで塾の帰り道は表面上穏やかにみんなで帰ってくるらしい。

さてどうしたものかと、親としては悩ましい。
担任の先生に事実を伝えるのは良いと思うが、「何とかしてくれ」と言うのは何だか違う気がする。それで解決するとも思えない。
さりとて放置はできない。
自分の事なら簡単なのだが、娘の事となると難しい。

それでもこうして事実をキャッチできたのは良かった。妻のお手柄なのだが、まあ子供にはしっかりと感心を払っている証拠だと思えば、私に関心を払わないのもしょうがないと思わないといけないのかもしれない。とは言え、娘も妻のようにきついモノの言い方を、外でしているのではないかと心密かに案じている。あのモノの言い方はかなり人を凹ませるものがある。それが対立の原因だとすると、お手柄どころではない。

人生には何かと試練が付きまとう。
これがその一つだと思えば、良い経験だとも言える。
世の中は人間関係だ。
娘にとって、これがその最初の試練なのかもしれない。
父親としても、娘とのコミュニケーションを密にして、よくサポートしたいと思うのである・・・


【本日の読書】

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン - カーマイン ガロ, 井口 耕二, 外村仁(解説)  おじいちゃん戦争のことを教えて(小学館文庫) (小学館文庫 R な- 10-1) - 中條 高徳




0 件のコメント:

コメントを投稿