2012年3月2日金曜日

会議にて

もう5年くらいになるが、母校(高校)のOB組織の幹事に名を連ねている。
半年に一度、常任幹事が集まって会議をしている。
その半年に一度の会議があった。
今回はそこで私が2つほど制度改革の提案をした。

毎回予算を中心に常任幹事で骨格を決めているのだが、過去5年ほど同じような内容に終始している。「昨日も今日も明日も同じ」というのは個人的に好きではない。
そこで少しばかり変えてみようと、提案に踏み切ったわけである。

こういうボランティア組織だと何もしなくても文句は言われない。
敢えて何かをするという事は、面倒な事でもある。
それでもやってみようと思ったのは、昨日と同じ今日を送るのがなんとなく嫌だったからに他ならない。自分がそこにいた証というものがあってもいいなと常に思っているからでもある。

それまでのやり方を変え、会議の前にあらかじめメールで資料を配布した。
当日はそれに基づいてプレゼンテーションを行った。
始めから好意的な反応が返ってきた。
途中で議論の輪から外れて議論の輪を眺めてみる。
私の提案の要点をきちんととらえて議論を展開させる人、上辺だけとらえて本質から外れた議論をする人、発言のタイミングを計りかねているように見える人・・・

そう言えば私自身、こうして大勢の人に何かをプレゼンするという機会は普段持つ事もない。
あるとすれば仕事の場くらいだが、こういうチャンスはほとんどない。
先日引き受けた研修の講師くらいだろうか。
それゆえに、考えてみれば実は良い機会だったわけである。

本当はもっとしっかり事前準備すべきであった。
今読んでいる『スティーブ・ジョブズ II』によると、スティーブ・ジョブズはもの凄くプレゼンの準備に余念がなかったという。それだからこそ、もはや伝説的と言われる名プレゼンになったのだろう。私はと言えば、例によって「その場で適当になんとかなる」で済ませてしまった。それで結論が変わったとも思えないが、もうちょっと充実した気分を味わえたかもしれない。

さてその提案であるが、議論があちこちと交わされる間、どういう結末になるのだろうと、頭の片隅で考えていた。なんとなく全員賛成なのか、多数決なのか、議論をまとめる人がなくうやむやに終わるのか。
自分で結論まで持っていくのか、お任せでどうなるのか放置してみるのか。誰がリーダーシップをとって結論へと導くのか・・・

結果は長老の鶴の一声で終わり。
否決とはならなかったが、まだ他にもやる事あるとの事で持ち越しとなったのである。
せっかくやったのに、残念と言えば残念。
ただ粘ろうと思えば粘れたし、もっと押そうと思えば押せた。
ただ「この辺でいいや」と思ったのも事実だ。

人の考え方、感じ方はそれぞれだ。
同じ映画を観ても、賛否が分かれる事は多々ある。
自分の考え方は、その他大勢の中の一つでしかない。
自分の考え方に執着し過ぎるのもよくない。

それにしても思いがけず、面白い体験だったのは事実だ。
また何か考えてみても面白いし、もういいかなという気持ちもある。
あまり熱くなり過ぎてもいけない。いずれにせよ周りとの温度差だけは意識していたいものである。周りとの適度な温度差を保ちながら、楽しめるうちは楽しみたいと思うのである・・・

【本日の読書】

スティーブ・ジョブズ II - ウォルター・アイザックソン, 井口耕二  経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書 - 山田 真哉





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