2012年1月15日日曜日

イラン情勢

アメリカとイランの緊張が高まっている。
何気なく読み過ごすニュースであるが、専門家の分析によると、アメリカの国家戦略の一端としての動きらしい。

アメリカの国力を支えているのがドル基軸通貨体制。
全世界で米ドルが貿易決済の手段として使われている。
これがあるから、世界最大の赤字国アメリカも破綻しないで済んでいる。
これが崩れれば、国家財政破綻という事にもなりかねない。

これに反発するのがロシアや中国などの国々。

かつてイラクが石油の決済通貨をドルからユーロへと変更。
ドル基軸通貨体制への抵抗を見せた。その結果がイラク戦争。
アメリカが主張した大量破壊兵器はとうとう発見されず、戦後石油取引はドルに戻されている。

今イランがこれに続く動きを見せていて、すでに石油取引の決済をドル以外にしているらしい。アメリカは、石油や天然ガスなどの資源も豊富なイランを支配下に置きたいという意向は常々もっており、このまま放置すると他の湾岸諸国も追随しかねない状況を危惧しているという。という事でアメリカはイラン潰しに出ているのだという。

そんな事は新聞のどこを探したって出ていないし、本当なのかと思わずにはいられない。
しかし言われてみれば、核開発疑惑どころか実際に作って地下実験までやっている北朝鮮に対しては、アメリカは何にも言わない。グリーンスパン元FRB議長も確かに自伝の中で、イラク戦争は石油利権のためだったと書いている。とすれば、そういう面もかなりあるのかもしれないと思ってみたりする。

我が国はイランとの関係も深く、原油も輸入している(円建なのかリヤル建なのかは知らないが・・・)。アメリカの手前制裁措置に協力せざるを得ないのだろうが、どうなのだろう。イランは対抗措置としてホルムズ海峡封鎖を示唆しているし、そうくるなら軍事的に排除するとイギリスは息巻いている。

一方でイランはIAEAの査察受け入れを表明し、あくまでも開発は原子力発電所だと自らの正当性を主張している。イランとてイラクの経緯を隣で見ているだけに、アメリカの武力行使を牽制しているのだろう。

日々のほほんと平和に暮らしていられる我が国だが、海の向こうでは熾烈な水面下の戦争が始っているのかもしれない。いざ戦争となっても、イラク戦争の時のように我々には大して影響がないのかもしれない。だからどうだと言う事もないのだろうが、個人的には大いに関心を持っていたいと思うのである・・・


【昨日の読書】

日本の未来について話そう -日本再生への提言- - マッキンゼー・アンド・カンパニー どうする? 日本企業 - 三品和広





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