2010年4月28日水曜日

わからない事々

 ニュースを見ていてもよくわからないなと思う事はけっこう多い。
以前ならいざ知らず、今であればわからないならちょっと検索すればかなり調べられるとは思う。だが、いちいちそんな事している暇はないし、ついついわからないままにしてしまう。だからいっそうわからないままである。

 今日は検察審議会が、先ごろ政治資金規正法違反を問われた民主党の小沢一郎を不起訴とした事を「起訴相当」と判断したとやっていた。そもそも小沢一郎の何が悪かったのか、これがよくわからない。虚偽記載と言われているが、「だったらどうなの?」と思ってしまう。

 確かに虚偽記載はルール違反といえばそうなのだろう。だが、それだけだったら、「ちゃんと記載しろよな」という話だ。せいぜい罰金レベルの問題ではないか。虚偽記載して何をごまかしたのか、賄賂なのか何かのマネーロンダリングなのか?何がこれだけ大げさに騒ぎ立てるほどの問題なのか?ロッキード事件やリクルート事件などはわかりやすかったが、今度のはよくわからない。どこかから得たお金を不正にちょろまかしたという事なのだろうか・・・

 次にわからないのは検察審議会の考え方だ。市民目線で不起訴はおかしいという事は、何らかの証拠があるのだろうか。少なくともその道のプロ中のプロである東京地検が一旦起訴を諦めたのだ。という事は、有罪にするだけの材料が揃えられなかったという事だ。「おかしい」という感情論と「有罪にできるか」という技術論は相容れない。法律には、「疑わしきは罰せず」というルールがある。「知らなかったはずはない」という「疑わしき」だけでは罪には問えないのである。いったいどういう議論が尽くされたのだろう。

 なんでこんな疑問が出てくるのか、と言えばそれは新聞報道がそうした素人レベルだからだ。私だったら、検察審議会がどういうメンバーで構成され、どういう議論を経て不起訴となったのかを報道するだろう。小沢氏にマイクを向けたって、「そんな事いまさら言われてもねぇ~、コメントしようがないよ」というのが本音だろう。検察審議会のメンバーにこそマイクを向けてほしいものなんだけどなぁ・・・

 「何が問題なんですよ」という視点でニュースを報道してくれるのなら、たぶんもっとニュースはわかりやすいと思うのだ。今、民主党はかなり批判を浴びて支持率を落としている。しかし市民の問題に対する理解度ってどれくらいなんだろうと、本当に疑問に思う。

 子供手当がバラまきだと批判するなら、過去のバラまきがどれだけ無意味だったか説明してほしい。1,000円高速道路はどれだけのメリットとデメリットがこれまで出ているのか。ゆうちょの預け入れ限度額を2,000万円に引き上げるのは、増え続ける国債を買う資金を集めるためだとか、アメリカの国債を買うためというのが本音らしいが、どうなんだとか。

 普天間問題では、集会に集まった何万人という人はその多くが活動家で、基地によって潤っている地主や地元商店などの人たちは声を出せずにいるが、本当は移転してほしくないというサイレント・マジョリティの姿なのだとか。もっとそういう風に問題にスポットライトを当てて、真の報道ってものをやってほしいなぁという気がする。

 これでも一時はマスコミ志望だった事もある。カメラ一つ担いで人の行かないところを取材してみたい、というイメージに憧れを抱いたのだ。湾岸戦争でCNNのガッツのあるスタッフが、最後までバクダットに残っていたのを見て感動したものだ。日本人は真っ先に引き上げてきていたのを知って、やっぱりその道に進まなくてよかった思った。下手したら「エリカ様」の取材に行かされていたかもしれないものな。

 やっぱり、もう少しわからないなりの努力というものをしないといけないように感じるのである・・・


【本日の読書】
「資本主義崩壊最終ラウンド」船井幸雄
「自由への長い道(下)」ネルソン・マンデラ

         

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