2009年3月2日月曜日

若者達よ


「♪いつの間にか君と暮しはじめていた 西日だけが入るせまい部屋で二人
君に出来ることはボタン付けとそうじ だけど充ち足りていた♪」
                            布施明 「積木の部屋」
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先日家族でマックに行った時の事だ。
我が家はみんなマック好きである。
(ちなみに関東人の私はマクドナルドを「マック」と言い、関西人の妻と東西ハーフの子供たちは「マクド」と言う)

混み合う店内をふと見回すとちらほらとアベックがいる。
「最近のカップルはマックでデートするんだね」と私が言うと、「マクドは安いからちゃうん」と妻が答えた。だとしたら微笑ましいなぁとうらやましく思う。

私はバブル期を過ごした経験があるから、とにかくデートには金がかかるという印象が強い。
特にクリスマスなんて酷かった。レストランはすべて予約だし、半年前からホテルの予約だのなんとかのアクセサリーだのと・・・
幸い私はそんなバカなクリスマスの風潮に踊らされる事はなかったのだが・・・(T涙T)
安いマックでコーヒー片手に語り合うカップルがまぶしく感じられた。

そんな私の気分を壊したのが妻の一言。
「私の若い頃だったらマクドでデートなんていったら一発で別れてたわ」
(その言葉、当時聞きたかった気もする・・・)

そういえば新婚間もない頃、近所を散歩していてふと目にした安そうなアパート。
私は新婚生活のスタートは、4畳半一間で何もなくとも互いの存在だけで満足するような生活に、ある種の憧れを感じていた。そんな話を妻にしたところ、「いややわ、こんなカンカンアパート(階段を登る時の音からよくある2階建てのアパートを妻はこう呼ぶ)」とのたまわった。現実の冷たい壁を感じた瞬間だった(そのくせ「愛こそすべて」系のドラマを観てうるうるしていたりするのだ・・・)。

社会人になりたての頃は金がなかったから、寮では余っているテレビを調達してきて見ていたし、愛車は13万円で買った日産マーチだった。甲州街道で雨上がりの夜空にエンジンが止まってしまった事もあった車だ。そんなマーチに乗って無謀にも男二人女二人でドライブに行ったりした事もあったが、乗り心地はフェラーリにも勝ると信じていた。いまでもあのマーチが懐かしく、そして誇らしく思う。

お金をかけなくったって若者には幸せな時間を過ごせる特技があるのだ。
今はマックに連れて行ってもふられない良い時代みたいだ。
幸せそうなカップルたちに心からのエールを送ったのである・・・
   
    

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