2024年2月4日日曜日

結婚記念日

 23日は我が家の結婚記念日である。結婚して今年で28年である。毎年、なんとなくケーキを買っているが、今年も家族全員が好きな新宿高野のフルーツロワイヤルを買ってきた。いつも私には冷たい妻ではあるが、大好物を前に機嫌が悪かろうはずもなく、子供達と楽しくいただいた。しみじみと振り返ってみると、28年はあっという間のようでもあり、ずいぶん時間が経ったようにも感じられる。ちょうど節分でもあり、妻は子供たちと息子の合格祈願に行った湯島天神で買ったという豆を撒いていた。

 28年前の2月3日は、ちょうど前日に雪が降り、関西出身の妻の親戚関係がみんな東京に出てこられるか、ちょっと心配したものである。式の様子はビデオテープにしてもらってあるが、一度も見たことがない。もっともすでにビデオデッキがないから、見ようと思っても見られない。今見たら、どんなだろうかと思ってみたりする。我が家の場合、結婚式だけにして二次会はやらなかった。東京には妻の友人が少ないこともあり、何より私がやりたくなかったからであるが、関西出身の妻で幸いであった。

 2月3日は一方で、恵方巻きの日でもある。今では恵方巻きは当たり前のように認知されているが、28年前はそうではない。妻から恵方巻きのことを聞いてもなんのことやらさっぱりであったばかりか、「その年の恵方を向いて無言で太巻きを丸かぶりする」と聞いて素直に担がれているのだろうと思った。今では当たり前のようにあちこちで宣伝され、昔からの習慣のようになっているが、妻は「私が関西から持ち込んだ」と東京の友人たちには豪語しているらしい。新宿高野ではさらに恵方ロールなるものも売っていた(つい買ってしまった)。それにしてもみんな「食べ方」もわかっているのだろうかと疑問に思う。

 なぜ結婚式を2月に挙げたのかというと、銀行の仕事がわりかし暇になる時期だからである。8月と2月は相対的に仕事が減ることもあり、結婚式と新婚旅行に行くのに1週間程度の休みを取ってもそれほど周りに迷惑がかからないだろうと考えたのである。当時の支店長に気の進まないまま仲人を頼み、プリンスホテルに勤める後輩に頼んで自分たちと式に呼んだ人たちの宿泊を確保した。男にとって結婚式はめんどくさいという以外の何物でもない。(機会があったとしても)2度はやりたくないと思ったものである。

 結婚して5年後に長女が生まれた。遅いように思われるかもしれないが、意図的に「家族計画」した結果である。ちょうど入行10年で永年勤続表彰があり、2週間の休みをもらえることになっていたのだが、この時に長期の海外旅行に行こうと、子供は先延ばししていたのである。そして念願のカリブ海へ行き、長期休暇を楽しんだ。子供が生まれてからは、結婚記念日というより、節分の豆まきと恵方巻きの日という感じになっている。いつの間にか子供たちも大きくなっている。あと2年で結婚30周年であり、「何のお祝いしてくれるんやろ」という妻の問いかけに、子供たちは聞こえないフリをしていた。

 年月の過ぎゆく早さを言っても仕方がない。いつであろうと過去を振り返れば早いものだと感じるものである。この先、いつまで夫婦が続くのだろうか正直わからない。理想的には子供たちが巣立ち、夫婦2人で静かな老後となるのだろうが、ひとり暮らしを選択する可能性は大いにある。それはともかくとして、この日は我が家の「スタートの日」である。この日から家族が始まり、そして28年が経ったのである。29年目が始まり、何か特別なことがあるわけではないが、またいつもの日常が続くのである。

 結婚と同時に両親と妻との軋轢に苦しめられるようになるとは思いもしなかったが、結婚とは恋愛のゴールであり、家族のスタートである。それは恋愛のように楽しいものばかりではないが、子供の成長とともに過ごす日々はやはり幸福なものなのであろう。いつまでかはわからないが、続く限りは毎年この日を同じように祝いたいと思うのである・・・

Arek SochaによるPixabayからの画像


【本日の読書】

これからの時代を生き抜くための生物学入門 - 五箇 公一  歌われなかった海賊へ - 逢坂 冬馬







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