2024年1月21日日曜日

採用の現場にて

 仕事では本職の財務の他に人事も兼務している。人事の仕事の柱の一つは「採用」である。採用には新卒採用と中途採用があるが、どちらも大事である。新卒採用は、学校ルートが中心。専門学校と大学とであるが、知名度の低い中小企業の悲しさで、首都圏での採用はなかなか難しい。もう少し大学生を採用したいと考えているが、偏差値の高い大学の学生には相手にしてもらえない。かと言って偏差値にこだわらなくても難しい。学生からすれば、なるべく大手の企業に就職したいと考えるであろうから、やむを得ないと言えばやむを得ない。

 大学には就職課というものがあって、学生の就職相談に乗っている。企業から情報を集め、学生向けに会社説明会を開催したり、企業と推薦制度を交渉したり。専門学校も大学も「就職率」がやはり生徒募集の大きな強みになる。ランクの高い大学はふんぞり返っていられるが、そうでない大学や専門学校はかなり力を入れている。地方では特にその傾向が強く、我々のような中小企業でも歓待していただける。学校推薦がつけば生徒は内定が出たら承諾しなければならないという縛りがつくが、確実に内定はもらえる。企業も確実に採用できるのであればWin-Winである。

 面接をして内定を出しても、辞退となると企業も採用計画が狂ってしまう。学生もいくつか内定をもらってもギリギリまでどこにするか決めずに、最後に決めるという人もいる。辞退された企業は大変である。我々も首都圏の大学の学生を採用したいと思うが、狙うのは夏休み前である。それ以前の「第一波」では学生の関心は大手に向かう。そこで決まらなかった学生が「第二波」としてレベルを落として次の企業群へと向かってくる。「夏休み前に決めたい」という学生を狙うのである。当然、「第一波」で選考から漏れた学生となるので、それなりの学生が多くなるが、中には「掘り出し物」もいるからこちらも全力投球である。

 我が身を振り返ってみると、超売手市場の環境下、ふんぞり返っていられる大学出身だったから大学の就職課なぞあるのも知らなかったくらいである。学生は意外と就職課を利用し、就職課の人も意外と骨を折っているのだと、今になって初めて知った次第。理系の大学になると、就職課よりは教授のルートが大事だったりして、教授に連絡を取ると学生を推薦してもらえたりする。その場合は、こちらが内定を出せばまず確実に採用できる。専門学校生と比べると、大学生は「余白」が多いと感じる。専門学校の学生はみっちり知識を得てくるが、「余白」の部分が少なく、大学生もそれなりに4年間の重みはある。両方バランス良く採用したいところである。

 中途は人材紹介会社が中心となるが、人材紹介会社も商売であり、採用実績の高い比較的大手の企業に優先的に紹介が行くようで、我々のような中小企業はここでも苦戦する。紹介してもらっても、採用できるかはまた別問題。悩ましいのは転職回数だろうか。昔から転職が多いと不利になると言われているが、採用する立場からするとその通りである。なぜ、頻繁に転職するのか。最近も現職に就いて半年しか経っていない人が応募してきたが、転職理由が気になる。もしかしたら問題社員なのかもしれない。採用した途端、社内に問題を抱えたくはない。

 アメリカは転職社会だとよく聞く。簡単に首になるし、ステップアップのためにどんどん転職すると言う。そういう社会なら問題はないが、簡単に首にならない我が国では、自分から辞めるのは、我慢が足りないとか、周りと協調してやれないとか、気に食わないことがあるとすぐ辞めるような人物なのかと勘繰ってしまう。採用すれば社会保険の手続きなど煩雑な事務もあるし、紹介料などのコストもかかる。面接の受け答えなどいくらでも誤魔化せるし、良い材料は見つけにくい。やはり転職回数の多さはマイナスでしかない。

 その点、新卒採用はやはり楽しいものである。みんな春からの就職に対して期待と不安とを抱えており、入社してからだんだん逞しくなっていく様子を見られる楽しさがある。中途採用でも溶け込んで楽しそうに働いている姿も当然嬉しく思う。会社が大きくなっていくためには採用は絶対に必要であり、大事な仕事であると認識している。今は、内定を出した学生から春の入社に向けての問い合わせが多く来たりしている。41日に彼らと会うのが楽しみである。私もこの会社は3社目であるが、人事の仕事も楽しみながら、ここを安住の地としたいと思うのである・・・

TumisuによるPixabayからの画像

【本日の読書】

哲学がわかる 哲学の方法 - ティモシー・ウィリアムソン, 廣瀬 覚 勉強が一番、簡単でした――読んだら誰でも勉強したくなる奇跡の物語 - チャン・スンス, 吉川 南







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