2023年12月3日日曜日

相手を対等として考える

 個人的に今「好きな女優さん」のトップは満島ひかりである。竹内結子亡き今、満島ひかりのドラマや映画を心待ちにしている自分がいる。そんな満島ひかりの主演しているものを探していて見つけ、ドラマ『WOMAN』を観終わった。よく見れば10年前のドラマであるが、当時はまったく知らなかった。その中で、ストーリーとは別に印象に残ったシーンがあった。満島ひかり演じるシングルマザーの小春は、2人の子供を抱えて毎日忙しく働いているが、再生不良性貧血を患ってしまう。小春は子供たちに心配をかけまいと薬の服用や病院通いをひた隠す。

 小春の容態は相当悪く、しばし倒れたり、体に内出血ができたりする。小学校一年の娘ののぞみは母の異変を察知する。そしてある日、電車に乗って母が通っている病院へ行く。そこで母を探す。病院のスタッフからそれを知らされた小春はいないと言ってくれと頼む。しかし、病院のスタッフに母はいないと伝えられたにも関わらず、のぞみは言う事を聞かずに病院内を探し回る。大人からすれば小学校一年の子供であるが、子供とは言え簡単に騙せるものではない。子供なりに感じるものはあるという事を示すシーンであった。

 ドラマではその後、小春が子供たち2人に自分の病気のことを隠すことなくすべて教える。そうして治療を頑張ると伝える。それでようやく子供たちは安堵する。子供だからと子供扱いするのではなく、きちんと一人前として扱ったのである。親だから心配させたくないという気持ちはよくわかる。であれば隠すよりもきちんと教えた方がいいというのは、私の考え方とも一致していて、それを裏付けるようなシーンだったので、ストーリーとは別に印象に残ったのである。

 会社でも私は部下に自分の知っている会社の情報はすべからく伝えている。業績の事やこれからの方針などもパートさんも参加するミーティングで伝えている。かつて銀行にいた時は、幹部情報というものはあまり下には伝えられなかったものである。「知る必要はない」と思われていたのかもしれない。しかし、それで業績が悪いから頑張れと叱咤されても力など入るものではない。蚊帳の外に置かれれば自分のこと以外は所詮、他人事という意識しか育たない。当時の幹部の人たちは、「自分たちだけが知っている」という事で、一種の「特権意識」を持っていたのかもしれない。

 しかし、隠していてもわかるものはわかる。それにチームとして一体感を醸し出すには、「特権意識」は相反するものである。チームに所属するメンバーが、チームを「自分のもの」と感じるかどうかは「帰属意識」如何であるが、その帰属意識が「蚊帳の外」で醸成されるものでないことは常識で考えてもよくわかることである。逆に普段から会社のことをきちんと教えられていれば、上司の発言の背景などもよくわかるかもしれない。そうすれば、自分なりに何か考えてくれるかもしれない。

 さらに心がけている事は、「聞かれたことにはきちんと答える」という事。情報開示は意識的に行ってはいるものの、自分自身にも気づかない事はある。もしもそういう疑問を直接聞かれたのであれば、個人的な事に関するものではない私は限り答えている。それが業績の事でも会社の事であっても、相手が新入社員であってもである。こちらが胸襟を開かなければ相手も開いてくれないだろう。相手を対等に見るということは大事ではないかと思うことからの行動である。

 実際、相手がどう思っているかはわからない。ただ、子供でも子供扱いするのではなく、社員であれば尚更自分と対等という立場として扱う事が大事ではないかと思う。それは自分が相手の立場であればどう扱われたいかということの裏返しである。それが世の中でどのくらい効果があるのかどうかはわからないが、自分の考え方の一つとして、これからも続けたいと思うのである・・・

John HainによるPixabayからの画像

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