2023年1月20日金曜日

騙されても・・・

 弟がどうやら詐欺被害に遭ったようである。

 海外不動産投資の誘いを受け、それが現地人の友人と一緒にということで信用したようである。最初は迷いもあったようであるが、「返ってこなくても良い」と思う金額だったこともあり、老後に遊びに行く楽しみもできると考えたようである。それがいつの間にか、請われるままに少しずつお金を送り、やがて予想外のリターンが得られるとわかり、金額を積み増したらしい。私には「10倍になった」と得意気に語っていたのである。

 それがある日突然、連絡が来て「金を貸して欲しい」と言ってきた。聞けば海外の不動産を資金化するのに必要な経費なのだと言う。なんとなく違和感を感じたが、他ならぬ弟の頼みでもあり、貸すことにした。その際、一つ確認したのは、「現地にいる友人は信用できるのか」ということ。「大丈夫だ」ということで、その時は金を貸した。そしてまたしばらくして追加で金を貸して欲しいと言ってきた。その時すでに「騙されているのではないか」という話はした。弟もなんとなく自信なさげであったが、頼まれるまま金を貸した。

 その後も何度か頼まれるまま応じたが、金額が嵩み、頻度も増えてきたところで、何度も事情を確認した。「ここでやめると全部パーになる」というのが弟の言い分であった。話の端々に「友人からも借りている」という話もあり、やがて私の貸せる限界がきたところで弟も「実は・・・」と窮状を打ち明けてきた。既に車も処分し、もう1円も集められないという事で、返済もかさんで給料でも返しきれないとのことだった。そこで、現在の借入状況を全部明らかにするようにと言って明らかにさせたが、それを見て愕然としてしまった。それはとても返し切れる額ではなかったのである。

 海外の方は、友人の伝手を辿って現地の日本人弁護士を紹介してもらい、アドバイスを受けた。すると、弟が現地人弁護士といって紹介されて依頼していた弁護士がどうやら偽物だと判明した。現地の弁護士登録に名前がなかったのである。元々、「おかしい」という点がいくつもあったが、日本とは違う法体系でもあり、はっきりと断定はできなかったのである。ただ、ここに至ると法律の違いを超えてもどうにも正常だとは思えなくなっており、いよいよ騙されたことは間違いないとわかってきた。

 騙されたこと自体、仕方がないと言えば仕方がない。巧妙な詐欺であれば、私も騙されるかもしれない。しかし、私だったら絶対にここまで酷い状況にはならないという自信がある。それは、「他人を巻き込まない」という私のマイルールである。それは「自分の持っている余剰資金」と「返せる範囲での借入金」で賄うというものである。決して、友人知人や親兄弟からかき集めることはしない。自分でできる範囲を超えたらそれまでである。過去に株式投資で失敗したことがあるが、その時もこの原則は崩さなかった(だから生還できた)。弟はこれを遥かに超えてしまっている。

 既にクレジットカードや使途自由のローンの返済額は手取りの給料の2倍以上となっている。それ以外に友人や親兄弟(私だ)からの借金が加わる。さらにその総額は、海外不動産を売却して得られるはずだった金額をも超えている。ここまで見境なく、後先考えずに金を借りまくったのかと思うと、我が弟とは言え、あまりの愚かさに愕然としてしまう。騙されたのは仕方がないが、ここまで無責任に金を借りた事こそ批難されるべき過失である。もう全額返すことは不可能である。

 自分が貸したお金ももう返ってこないだろう。それはある程度想定していたのでなんとかなるが、弟の生活をどう守るかの算段がなかなか大変である。その相談にも乗りながら、同時にこれは是非とも子供達に教えておかないといけないと感じた。いわゆる金融リテラシーというやつである。自分は大丈夫だと思っていても、将来子供達が同じような羽目に陥って、「助けてくれ」言われても困る。年金生活になって、貯めた財産をそんなことのために吐き出させられたら事である。

 金を貸す時は、返済をアテにしなくて大丈夫な範囲に止める。金を借りてやるのは投資ではなく、投機。投資も同じように返ってこなくても大丈夫かという観点で考える。借りるのは自分で返せる範囲内まで。そんな原則を守っていれば、たとえ騙されても最悪の事態は回避できる。娘は臆病で慎重なところがあるからわりかし安心かもしれないが、息子は心配なところがある。男は「自分は大丈夫」と過信するところがあるからである。娘も本人は大丈夫でも、将来の結婚相手が大丈夫だとは言えない。

 お金は幸せにもなれるが不幸にもなる。真面目であるかどうかは関係なく、大事なのは知識があるかどうか。大きく儲けなくても破滅しなければそれで十分。両親も弟に請われるまま全預金を貸してしまった。これはもう戻らない。何かあれば私がなんとかしなければならないが、私も弟にかなり貸しており体力は乏しい。今後、なんとかするしかないが、これをきちんと後世への教訓にしないといけない。それでなければ、貸して戻ってこないお金がただ無駄になるだけである。せめてそれを将来への投資にしたいと思うのである・・・

Holger LangmaierによるPixabayからの画像 

【本日の読書】

 






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