2022年3月10日木曜日

今の若い者は・・・

  4月1日から通称パワハラ防止法が適用となるにあたり、弊社でも最後の準備を進めている。すでに大企業では適用がスタートしているが、中小企業は猶予されていたのであるが、その猶予期限がいよいよ到来というわけである。パワハラ、セクハラなどというと、ついつい「昔は当たり前だった」と言いたくなる。私なども若手の頃、中年の営業課長から「社内の女の子はお尻の一つも触ってやってコミュニケーションを取るものだ」と言われたものであるが、ついぞそんなコミュニケーションを取る勇気もなく終わったものである。

 怒鳴られるのも当たり前。私が一年目に仕えた上司は厳しい人で、ある時など主任さんが半日立たされていたことがあった。私はその時、上司のすぐ目の前に席を置かれていたので、横に立っている主任さんが気になって仕事どころではなかった。私もその上司に怒られたことがあるが、負けん気も強かったので気にもならなかった(モノには当たっていたが・・・)。なので怒られてシュンとなってしまう者の事など理解できないが、人は皆強いわけではないから、おかしいと言うつもりもない。ただ、当時はそんなこと問題にもならなかったのは確かである。

 ついつい、「今の若い者は」と言いかけて、はたと気づく。自分もいつの間にかそんな陳腐なセリフを吐くようになってしまったのだろうかと。私も若い頃は、確かにそう言われていたと思う。自分では何がおかしいのかと反発していたものである。「そちらの考え方こそおかしい」と。実際、何よりも仕事優先の考え方は理解できず、単なる「社畜」じゃないかと思っていたほどである。休みの日すら嫌々ながら会社の行事に繰り出して陰でボソボソ文句を言っている。「嫌なら行かなきゃいいじゃないか」と思っていたものである(実際、私は堂々と拒否して顰蹙を買っていた)。

 さらに支店の計画を考えると言って、休みの日にわざわざ会議に出さされたのにはつくづく閉口した。「平日にやれよ」と。そして今、来期から3年計画を立てるにあたり、経営幹部で土日に合宿をやろうという話が出ている。もちろん、私もそれに加わる予定である。昔はあれほど嫌だったのに、今はむしろ積極的に参加する自分がいる。それはペイペイだったあの頃と比べ、今は幹部の一員という立場の違いが大きい。仕事は大事だし、仕事であれば、休日を潰すのも苦ではない(もちろん、ワークライフバランスでその分平日に休みを取るが・・・)。私自身、あの頃と何ら変わってはいない。変わったのは、「立場と経験」であろうか。

 若い頃は、プライベートが何より重要で、「遊ぶために働いているのだ」という意識であった。今も基本的には変わらないが、あえて言うなら「遊ぶ前に働く」という感じであろうか。楽しく充実したプライベートを過ごすために、楽しく充実した仕事をするのである。仕事は生きるための苦行ではなく、楽しみの一つである。ただ、会社の若い人にそんな考えの人はいそうもなく、そんな話をしたら煙たがられるであろうことは間違いないだろう。それはやっぱり経験の差だろうと思う。若者もさまざまな経験を経て中高年となる。経験を積んだ人間とそうでない人間には自ずと考え方に差が出るだろう。「今の若い者は」ではなく、単に経験の違いだけなのであろう。

 その昔、お世話になった支店長からは「仕事の報酬は仕事だ」と言われ、内心ひどく反発したものである。「報酬なら金をくれ」と。今はその言葉はその通りだと思う。仕事で成果を挙げれば次にもっと大事な仕事を任される。そしていつの間にか会社の中心にいるようになり、会社を動かす立場になれば仕事もさらに面白くなる。「今の若い者」もそんな経験を積めば、いずれ私と同じ境地に達するだろう。お世話になったあの支店長に、今の私の姿を見ていただきたいとつくづく思う。

 そう考えると、目の前にいる若い社員たちは、「あの頃の自分」なのだと思う。かつて新人類と言われた私より少し下の世代も、今は嘆く側である。そう考えると、今の若い者を嘆く前に理解する必要がある。あの頃の自分を思い出して。目の前にいるのは若い頃の自分である。そう考えて接したいと思うのである・・・


Gerd AltmannによるPixabayからの画像 

【本日の読書】
 



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