2021年1月28日木曜日

論語雑感 公冶長第五(その13)

論語を読んで感じたこと。解釈ではなくあくまでも雑感。
【原文】
子路有聞。未之能行。唯恐有聞。
【読み下し】
子路(しろ)は聞(き)くこと有(あ)りて、未(いま)だ之(これ)を行(おこな)うこと能(あた)わずんば、唯(た)だ聞(き)くこと有(あ)るを恐(おそ)る。
【訳】
子路は、一つの善言をきいて、まだそれを実践することができない間は、さらに新しい善言を聞くことを恐れた。
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 子路という人は随分慎重な人だったのかもしれない。1つの教えを受けてそれを真面目に実行してからでないと次の教えを聞くことができなかったようである。実際はどうだったのかはわからないが、そもそも教えというものは、すぐに実践して終わるというものではなく、強いて言えば「身につけるもの」であり、そういう意味ではどんどん聞いてストックしていけばいいのにと私は思う。

 子路が意識した「聞くこと」がどういうものかは知る由もないが、私も名言の類は好きで昔からメモして手元に残すようにしている。そういう名言(言葉)には不思議な力があり、落ち込んでいる時に元気が出たり、勇気が出たり、気持ちが落ちついたりするものである。それらは「実践する」というよりもストックしておいて常に眺めたりしている。それは私生活でも仕事でも、一旦立ち止まって考えさせてくれたりする。

 そんな名言をいつからストックするようになったのかは、はっきりと覚えていない。しかしながら、なんとなく松本零士のマンガが記憶に残っている。

【サナギを醜いとあざけり笑う者はサナギから生れ出る蝶の美しさを知らない】(『大純情くん』)
このマンガの主人公はパッとしない男の子。日の当たらない四畳半一間で明日を夢見て今日も歯を食いしばって生きている。喧嘩も弱いから人にバカにされても反撃できない。そんな主人公の姿と、「いつか自分も」と思う気持ちがダブったのかもしれない。今は自分はサナギなのだと思うと、今を嘆かず頑張ろうという気持ちが芽生えたのである。

【幸せは得るものではなく気付くもの】
誰の言葉だったかわからなくなってしまったが、青い鳥ではないが、幸せはどこか遠くにあるものと思いがち。しかし、住む家があって、働く場所があって、両親はまだ健在で、子どもも健康で、と指を折っていくと実に自分は幸せだなと気付く。それに満足していてはいけないと思うが、そうした足元の幸せも意識したいと思わされる言葉である。

【底荷のない船は不安定でまっすぐ進まない 一定量の心配や苦痛・苦悩はいつも誰にも必要である(ショーペンハウエル)】
考えてみれば、自分はいつも何かに心を煩わせている。それはプライベートであったり仕事であったり、1つ片付くと次の問題が沸き上がってくる。だからこそ、こういう辛い思いをしなくて済むよう、幸せになりたいと思ってしまうが叶わない。しかし、うらやましいなと思う友人も、子どもがいなかったりするとその点だけは自分は幸せだと思うし、たぶんどんな金持ちでもそれなりに悩みはあるのだろう。そう考えると、自分の悩みも受け入れようと思えてくる。むしろもっと大きな問題よりいいかもしれない。

【あなたが生れた時、まわりの人は笑ってあなたは泣いていたでしょうだからあなたが死ぬ時はあなたが笑ってまわりの人が泣くような人生を送りなさい(村枝賢一)】
まさにその通りだなぁと思う。そしてその通りに実践するとしたら、心掛けたいのは、
【男は生き方】
であると思う。

【あふ時は 語りつくすと思へども 別れとなれば残る言の葉(大石主税)】
赤穂浪士の大石内蔵助の息子の言葉であるが、実家の両親などと日頃からコミュニケーションをもっと取ろうと意識させられる。

【あなたが空しく生きた今日は 昨日死んだ者があれほど生きたいと願った明日(『カシコギ』)】
当たり前のように過ぎゆく一日一日がいかに大事な日々かと思わされる。

【あれを見よ深山の桜咲きにけり真心つくせ人知らずとも】
誰も見ていなくてもお天道様は見ている。言い方は違うが、言っていることは同じ。そういう行動を心掛けたいと思う。

【努力家がみな成功するわけではないが成功者はみな努力家だ】
才能よりも努力で勝負するしかない自分としては、励みとしたい言葉である。

【信頼とは信じても頼らず、信用とは信じても用心すること】
仕事では特に有効な言葉。信頼、信用という意味を改めて意識させられる。

【万事休すという状況で諦めていないか 本当はそこから本物の知恵が湧く】
これから起こるかもしれない会社のピンチに備え、心しておきたい言葉である。

【上司がAと言ったらA+Bの仕事をこなさなければならない(大前研一)】
【仕事には面白い仕事のやり方と面白くない仕事のやり方がある(同上)】
大前研一はさすがに超一流コンサルタントだけあって、いろいろヒントになることが多いが、常に意識しておきたいのがこの二つ。常に給料分以上の仕事をしよう、辛いのを我慢するのではなく楽しく仕事をしようという自分にとっては、非常にいい言葉である。

 他にもまだまだたくさんあるが、どれも手元に置いてある手帳に書き込んである。常時読み返しては忘れないようにと意識している。さらに言えば、まだまだこれからいい言葉があればどんどんストックに加えておきたい。子路のように実践できないうちは受け入れないというのではなく、どんどん受け入れて己の行動指針にしたいと思う。そうしてそのうち、父の言葉として子どもたちに何かオリジナルの言葉を残せたらいいなと思うのである・・・


Jessica WoodによるPixabayからの画像 

【本日の読書】




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