2020年12月17日木曜日

コロナ雑感~その後

 コロナ禍もみんなの願い虚しく収束の兆しはなく、いよいよ東京の感染者が過去最高を更新している。私もかつてはマスクなど年末の大掃除の時以外したことがなかったが、今では外出時には欠かせないアイテムとなっている。ふだん、インフルエンザにさえ無縁の生活を送っている身であり、なんとなく「自分は大丈夫」という根拠のない自信を持っていたが、さすがに今回はかなり注意を払っている。「無自覚、無症状」もあるようであり、自分は大丈夫でも家族や年老いた両親に「媒介」してはいけないからである。

 と言っても、その注意が有効なのかどうかはわからない。マスクをしていれば大丈夫なのか、手指の消毒をマメにしていれば大丈夫なのか、推奨されていることはやっているが、それで完璧なのかどうかわからないので、なんとなくモヤモヤ感がある。飲み会もほとんど行かないし、ごくまれに行くのは2人の少人数のパターンで、それも「おっかなびっくりで」である。今月初めには両親を箱根の温泉に連れていこうと計画していたが、早々にキャンセルしたのも当然である。

 そういう行動を振り返ってみと、飲食店や旅行関係者は大変だろうなと改めて思う。会社の近所には沖縄の焼き肉チェーンが出店する予定で、私も楽しみにしていたが、予定の12月の半ばが過ぎてもその兆しがない。おそらく見送っているのだろう。計画が狂って大変だろうが、その店が出店予定だった店舗の大家さんも家賃が入ってこなくて大変だろう。「大変だろう」の連鎖が続いているように思う。

 大企業に勤めている友人・知人はすっかり在宅勤務に染まっている様子。シニアラグビーに参加している先輩も、貫禄のある腹が一層目立ち、指摘したら嫌そうな顔をして「おまえにもこの4㎏の貫禄分けてやるよ」と言われた。別の友人は、在宅勤務なのにそれを同居する高齢の母親が理解してくれず、「仕事中」に買い物や病院への送迎を頼まれたりするとぼやいていた。

 今回、大臣の会食が批判されているが、利用された店舗の方は当然ながら歓迎だろう。会食批判も我が国のマスコミの傾向を考えると、行き過ぎることしばしばだから、そのうち会食そのものが非難され、飲食店はますます窮地に追いやられるような気がする。飲食店関係者は、こうしたニュースを苦々しく見ているのではないかと思ってみたりする。社員数10人の我が社も今年は忘年会を中止したが、その他にも忘年会は軒並み中止である。やめる方はいいが、やめられる方は大変である。

  それにしても、感染防止策についても、きちんと考えながらやることが必要だと思うが、ただ示された基準を盲目的に守ってればそれでいいといった風潮が強いと感じる。例えば5人以上の会食はダメだと言うが、4人ならいいのだろうか。4人で居酒屋に飲みに行き、両隣のテーブルに4人座っていたら、その一角は12人だ。それで問題ないなら12人で飲みにいってもテーブルが分かれればそれでOKとういうことになる。一つの長テーブルではダメで、4人掛けのテーブル3つならOKなのか。ちょっと考えればおかしな基準だとわかる。

 今回、大臣の忘年会が批判されている。8名での会食だったらしいが、大臣が居酒屋などに行くわけがなく、当然高級な店のしかも個室だろう。となれば感染リスクはかなり低いと考えられる。それを「8人だから(5名以上だから)」という理由だけで批判するのは愚かしい限りである。大事なのは「人数」ではなく、「感染対策」だ。なので「感染対策はどうなっていたのか?」と突っ込むならわかるが、「8人だから」批判するのはいかがなものかと思う。「考えないマスコミ」の典型だし、それを支持する人も「考えない人」に他ならない。

 また営業時間を10時までというのもわからない。個人的には収容人員50%の方が営業時間短縮より効果的だと思う。10時まで満席なのと、半数制限で12時まで営業するのと、どちらが「密」回避になるかは明らかだ。うちは「半数制限で12時まで営業する」と理屈をこねても、おそらく「自粛警察」に嫌がらせをされ、Twitterで晒されるのがオチだろう。例えば我が社は職員が10人だが、個室で忘年会をやれば感染リスクは職場と同じで変わらない。店の従業員との接触だけが追加リスクだ。そのリスクをどう考えるかであり、闇雲に中止すればいいというものではない(その理屈は聞いてもらえなかったが・・・)。

 お上が示した基準に従うのも大事だが、もっと大事なのはその行動が本当にリスク回避(感染対策)になっているかをよく考えることである。形式的に基準に従っていたって意味はない。けど、形式に従っていないと鬼の首を取ったように批判する。野党もマスコミもそれに踊らされる自粛警察も自分の頭で考えていない。そういう無批判に基準に従おうとする考えこそが、大げさに言えば全体主義につながる危険なのである。胸を張って堂々と説明できるように自分の頭で考えて感染対策を取る必要があると思う。

 大事なのは、実際に感染しないことである。基準を守ることではない。「自分の頭で考えて」しっかり感染対策を取りたいと思うのである・・・


Alexandra_KochによるPixabayからの画像 

【本日の読書】
  



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