2017年4月20日木曜日

美田残さず千尋の谷へ旅させる

最近、立て続けに「えっ!」と思うことがあった。両方とも共通しているのが「子供に甘い」ということ。1人は20代の息子さんのために中古マンションを買ってあげたお母さんで、もう1人はお子さんために留学費用をポンと出してあげた方である。ともにお金を持っているからできることで、私などとても真似できない。だが、「えっ!」と思ったのは「お金を出せた」ことではなく、「出した」ことである。

「お金があるんだからいいじゃないか」と言われればその通り。私もよその家のことに口を出すつもりはない。だが、私だったら出さないと思う。それはたとえ「出せるお金を十分に持っていたとしても」である。なぜなら、それが「子供のためになる」と思うからである。昔から言うではないか。
「かわいい子には旅をさせよ」
「子孫に美田を残さず」
「獅子は我が子を千尋の谷に落とす」
どれも表現は違うが、「子供は甘やかすな」と言っていることは同じである。

 子供がかわいいのは誰でも当たり前。何でもしてあげたいと思うのは当然である。だが、それが本当に「本人のためになるか」は考えないといけない。親はいつまでも子供を庇護していられるわけではない。いずれ子供は独立し、親は老いて死んでゆく。子供は1人で世の中の試練と向き合わなければいけない。その時までに、それだけの力をつけさせてあげないと、困るのはかわいいわが子本人である。

 例えば私だったら子供にマンションを買い与えるのではなく、自ら銀行に行かせてローンを組ませる。1人で交渉させるのも勉強だ。そして月々の収入から毎月きちんと返済させることを学ばせる。「毎月の収入の中で生活する」ということをさせるのだ。20代なら一人前だし、いずれ結婚するとしてもその前にそういう生活習慣を身につけさせる必要がある。文句を言われたとしても、お金の苦労はさせるに越したことはない。買い与えていたらその苦労を味わえない。

 若い頃には特にお金の苦労はすべきだと思う。それでこそしっかりとした金融リテラシーの基礎が身につくというものである。お金があるなら取っておいて、40代、50代になってから渡したって遅くはない。その時には十分それを活かせるようになっているだろう。それだけのお金があるなら、相続税がどうのこうのなどとせこい事を考えるのではなく、最後に渡せばいいと思う。税金の心配よりも、子供の成長こそ重視すべきである。

 留学費用だって自分で何とかするよう苦労させればいいと思う。もし出すとしても、やるだけやってどうしてもダメで、もう諦めるというところになってからでも遅くはない。そうして苦労して掴んだチャンスなら、困難にもめげずにきちんと活かそうとするだろう。まさに「艱難汝を玉にする」「若い時の苦労は買ってでもしろ」である。これだけ昔から言われていることが、わからないのは不思議である。

 よく「金持ちの家は三代で潰れる」と言われるが、これも同じ理屈だと思う。成功した初代の苦労を見ていた二代目は多少わかっているが、初めからボンボンで生まれた三代目は甘やかされて苦労知らずに育つ。その結果、身代を潰す失敗をするのである。まぁ、それで世の中は回っているのかもしれないし、傍からとやかく言うことではない。

 私も子供の頃は金持ちの家に生まれたかったとよく思ったものである。たぶん、我が家の子供たちも今そう思っているかもしれない。だが、「災いもって福となす」で、それはそれで「バカ息子」にならずに良かったのだと思うことに無理やりしたいと思う。我が家の子たちのためにも、「あえて」美田を残さないことにしようと思うのである・・・





【本日の読書】
 
     

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