2016年9月7日水曜日

配偶者控除に対する疑惑

政府税制調査会は9日、専業主婦世帯などの所得税負担を軽くする「配偶者控除」の見直しに向けた議論を再開する。夫婦であれば働き方を問わずに適用する「夫婦控除」への転換を検討。税収減を抑えるため、適用を受ける世帯に所得制限を設ける方向で議論を進める。
産経新聞 96()2139分配信
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 以前から女性の社会進出支援というようなお題目で配偶者控除の廃止が囁かれている。こう言うニュースを聞くと、もちろん自分自身への影響もあるから関心を持つという面もあるのだが、裏にある「真の意図」というものが気になってしまう。

というのも、表向きの理由として「働く女性の増えた今の実態に合わず、女性の働き方を制限し働き手不足を助長している」との説明が付されているが、どうも素直に信じ難いものがあるのである。何せ税収が足りなくて足りなくて困っていて、それでいて対策としての消費税があげられなくてあげられなくて困っている政府が言っていることである。素直に表向きの説明を信じる方がどうかしている。

配偶者控除は、妻(配偶者)の年収が103万円以下なら、夫の課税所得から38万円を差し引く制度である。課税所得とは表面上の給料から社会保険料などの控除額を引いた「税金がかかる所得金額」で、38万円引かれると言っても、税金が38万円引かれるわけではなく、「税金がかかる所得」が38万円減るのであり、実際に減る税金は年収500万円の世帯で約7万円だそうである。

「女性の働き方を制限している」という意味は、年収が103万円に近づいた人が、それを超えないように働くことをセーブすること(いわゆる「103万円の壁」))であるが、要はそれをなくそうというわけである。これに該当する人は、主としてパート主婦であろう。パート主婦に「もっと働いても大丈夫だよ」と言いたいらしい。「働く女性の増えた今の実情」というが、なんとなくそれは雇用機会均等法の影響で結婚しても辞めない女性とかが増えたのであって、パート主婦のことではないような気がするが、どうやら税制を変えないといけないほどパート主婦が増えているらしい。

収入が増えれば払う税金も増えるのはある程度仕方ないことで、それは誰でも納得するだろう。女性が働きたいと思う理由は様々で、「生きがい」や「社会との関わり」など精神的な理由であれば、そもそも配偶者控除を得られないことなど納得済みで、「103万円の壁」は関係ない。パートで働く女性の場合も、例えば「子育てが一段落したので何かしたい」というような理由で働く人も対象外とみていいだろう。そもそも7万である。ちょっと働いてそれ以上稼げれば収入トータルは増えるわけである。

となるといわゆる「103万円の壁」を意識するのは、経済的な理由でパート主婦をしている人ではないかと推測できる。この人たちは、純粋に経済合理性で動くと考えられる。配偶者控除で得られる7万円(夫の収入によって違うのだが)よりも自分で働いて得られる収入のほうが多ければ働くだろうし、少なければ103万円の壁を意識するだろう。子供が小さかったりすると、そもそも働く時間も限られるということもある。

また、政府の狙いとして、「深刻な労働力不足を補う」ということもあるらしい。これに対しての答えは簡単で、「配偶者控除の限度を撤廃すればいい」となる。103万円の壁を超えても配偶者控除がなくなる心配がなければ、パート主婦は喜んで働く時間を増やすだろう。当然、配偶者控除があったとしても、働く収入が増えるから税収も増えるわけだし、そもそも「狙いが本当に労働力の増加であるならば」、多少の税収減は目をつぶってもいいはずである。

結局のところ、どうもしっくり納得がいかないのは、「目的」に対して「対策」があっていないからである。「女性の社会進出支援」「労働力確保」が狙いならば、それに対する対策は「配偶者控除の廃止」ではないだろう。間違えているのは「対策」なのか、そもそもそも「違う目的」があるのか。その判別は、情報量が限られる一般人には難しいが、間違いなく言えることは、配偶者控除によって専業主婦家庭と我が家のようなパート主婦家庭は増税になるということである。

単なる税収増が目的ならはっきりそう言って欲しい。影でコソコソするのが嫌いな自分としては、もしも真の狙いが別にあるのなら、姑息なやり方に嫌悪感しか感じないのである・・・
















【本日の読書】
 
     
 

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