2016年1月21日木曜日

お金持ちにはなれねども・・・

貧困撲滅を掲げるNGOのオックスファムが「1%のための経済」と題する報告書を発表した。
同報告書によると、世界で最も裕福な所得上位62人が保有する資産は206兆円で、これは所得下位の36億人分(つまり世界人口の半数)の総資産に匹敵すると推計してる。
5年前の調査では、世界人口の半分と同じ富を独占していた富豪の数は388人だったということで、富の集中が急速に進んでいると言える。

昨年、トマ・ピケティの21世紀の資本』がベストセラーとなり、「格差の拡大」が問題視されている。昨年の報告書では、オックスファムは、このままだと2016年までに世界の富裕層1%の富が残り99%の富を上回ると警告しており、現実はまさにその通りになりつつあると言える。

銀行員時代に痛感したのは、「お金はあるところに集まる」という事実。
「金は天下のまわりもの」という言葉があるが、正確に言えば、お金持ちのところにより多くまわっている(そして貯まっている)という事である。
お金の世界は、決して平等ではないのである。

これはちょっと考えても簡単なことで、例えば10万円を持っている人と、1,000万円持っている人とを比べてみるとよくわかる。
雀の涙ほどの銀行預金だって、1,000万円以上となれば「大口定期」として金利が(わずかに)高くなる。株だって10万円で買える銘柄は限られるが、1,000万円ならほとんどの銘柄を複数買うことができる。かつて勤務していた銀行のある支店には、巨額の預金を持っている某上場企業会長がいて、その預金には「特別優遇金利」を適用していた。

それはほんの一例で、アメリカ第2位のお金持ちであるウォーレン・バフェットも「自分の秘書は30%の税金を払っているのに、自分は17%しか払っていない」と語っているように、アメリカでは金持ちが優遇されている。
世界のファンドマネージャーも巨額の資金を運用する金持ちには、全世界から高利回り商品を探してくる。

富裕層の1%の富が残り99%の富を上回るようになった時、果たしてどうなるのだろうか。
歴史では貧富の格差拡大は、革命などの原因となった。
日本はそれでも比較的格差が小さいからいいのかもしれないが、そうでないところではそんな物騒な事態も起こりうるのだろうか。
あまり想像したくもない事態である。

もう人生も折り返し地点を過ぎたであろう身となれば、今更大金持ちになれるともなりたいとも思わない(いや訂正、なれたらなりたい)
せいぜいが普通の幸せを満喫できる程度には豊かでありたいと思うだけである(いやそれも訂正、普通以上の幸せを満喫したい)
人のことを羨むより、自分自身の自助努力を可能な限りしていくだけである。

そんな思いを抱いて、明日も頑張って働こうと思うのである・・・

【本日の読書】
 
 

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