2016年1月9日土曜日

紅白歌合戦


我が家では年末の過ごし方はいつも決まっている。
夕食はすき焼きを食べ、紅白歌合戦を見るのである。
「なんで?」と問われても、他に観るものもないし、なんとなく恒例になっているとしか答えようがないが、まぁその程度でもある。

「見ている」と言っても、4時間超の番組だし、ずっとテレビの前に座っているわけではない。
食事の後には風呂に入ったりもするし、歌う順番を調べて興味のない部分でそうした用事をこなすのである。
当然、家族それぞれ「お目当て」が違う。

私も事前に「やっぱりこれは逃したくない」というものをチェックしようと思ったが、真っ先に選んだのは、石川さゆりだった。
近年は、毎年「津軽海峡冬景色」か「天城越え」かどちらかを歌っていて、他にはないのかと思わなくもないが、そうではなくて「この2曲」のどちらかを聞きたいと思うのである。
そう気がついて愕然とする気分だったが、自分ももはや完全に若者世代からは遠ざかったと実感する。

それでも何気なく聞いたX JAPANが、意外にも心地よかったのは、自分でも新鮮だったかもしれない。
これまでもその存在は知っていたが、なんとなく見た目の抵抗感があって避けていたところがあるが、これから少し興味を持ってみたいと思ったのである。

初登場組では、懐かしいレベッカもよかったし、もともと注目していたSuperflyもいいなと感じた。
好みに新旧入り混じっているところが、50代なのかもしれない。
ベッキーとの不倫騒動でも話題になった「ゲスの極み乙女。」は、名前だけ妙に印象深かった。
なんて名前をつけるんだと思ったが、考えてみれば我らが忌野清志郎が先人としているわけで、そういう意味ではおかしくもない。

MISIAは長崎からの中継だったが、この「中継出演」で疑問を持つこともある。
福山雅治のように、自身のコンサートがある場合は別だが、例えば2014年の中森明菜がNYから中継出演したのは、明らかに「スケジュール以外の」事情だろう。
それがなんだかわからないが、大して忙しいとも思えない中森明菜が、NHKに来られないはずはなく、「なんなんだろう」と不思議に思うケースもなくはない。

2年連続でトリを務めた松田聖子。
いまだに「聖子ちゃん」と呼ばれることもあるが、自分が20代の頃はまさか紅白でトリを務めるようになるなんて、誰も想像しなかったのではないだろうか。
個人的には「赤いスイートピー」ではなく、「瞳はダイヤモンド」の方が良かったと思うのだが、今やオーラを身につけつつあり、自分の世代としては違和感がない。

紅白が終わった瞬間、娘と妻はジャニーズの番組に切り替える。
一転して騒々しい歌が続き、もう「ついていけない」。
ビジネスでは、ターゲットを決めるというのが一つの常套であるが、紅白はあらゆる層を意識している。
ビジネスルールには反していても、それはそれでありがたいと実感する瞬間である。

若い人たちには不評かもしれないが、また年末には「津軽海峡冬景色」か「天城越え」を聞きたいし、聖子ちゃんも聞きたいと思う。
そうした部分がある限り、我が家の年末の年越し風景は変わらないと思うのである・・・



【今週の読書】

 
  

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