2015年11月26日木曜日

三島由紀夫

11月25日は三島由紀夫の命日であった。
「三島由紀夫の命日」と言えば、それはすなわち、「三島由紀夫が自衛隊の市ヶ谷駐屯地で割腹自殺した日」ということである。

当時(1970年)、私は6歳。
多分、日本中がこのニュースで持ちきりだったであろうが、そんな記憶は全くない。
なぜ自衛隊だったかというと、それまで体験入隊等し、自身の持論であった「憲法改正」を主張し、自衛隊員に決起を促すためであったという。

三島由紀夫が主張していた「憲法改正」は、
日本を全的に守る正しい〈健軍の本義〉を規定するためには、憲法9条全部を削除し、その代わり〈日本国軍〉を創立し、憲法に、〈日本国軍隊は、天皇を中心とするわが国体、その歴史、伝統、文化を護持することを本義とし、国際社会の信倚と日本国民の信頼の上に健軍される〉という文言を明記するべきである』
とする本格的なもので、安倍総理が進めようとしている「憲法改正」などこの主張に比べたら、可愛いものに思えてしまう。
安全保障関連法案で、反対していた人たちが見たら、目を丸くして猛反対するような内容である。


憲法改正は私も賛成であるが、さすがにここまで主張されると腰が引けてしまう。
当時と比べれば、自衛隊もだいぶ存在意義を認められるようになってきたし、おそらく「憲法改正には反対だけど自衛隊の存在は認める」という人は多くなっているだろうから、もしかしたら今の世の中を見たら、三島由紀夫ももう少しマイルドな主張に改めたりするかもしれない。

私個人としては、こういう「過激思想」の人というよりも、やはり作家としての三島由紀夫が好きである。今でも本棚には 『仮面の告白』、『美徳のよろめき』、『潮騒』、『金閣寺』、『永すぎた春』そして『豊穣の海』シリーズ4部作が並んでいる。
いずれも一時期気に入って読んでいたものである。
中でも特に『豊穣の海』4部作は、しびれるような刺激を受け、「これぞ文学」と感動した覚えがある。

4部作の第1巻である『春の雪』は、映画化もされているが、ストーリーといい作中のセリフといい、大正時代の恋愛の奥ゆかしさと相まって、なかなかの感激を受けた。
そして最終巻『天人五衰』の衝撃のラストも大きな印象を残してくれた。
『天人五衰』の完成は、死の直前だったらしいが、よくぞ書き上げていただいたと思うばかりである。

非常な天才だったようであり、私のような凡人にその思想を理解するのは困難であるが、生きていたら日本文学界にもっと大きな足跡を残していただろうと思うと、つくづく残念に思われてならない。
そんなことをつらつらと考えていたら、また『豊穣の海』シリーズを読み返したくなってきた。
もう読んでからだいぶ経っているし、そろそろもう一度読み直してみてもいいかなと思う。

私にとっては、その思想云々よりも、自分の子供にも人にも進めたいと思う作家であり、11月25日はつくづく惜しまれる日なのである・・・

【三島由紀夫の本】
    

【本日の読書】
 


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