2015年11月30日月曜日

転職1年


転職してちょうど1年が経過した。
この1年、思うにいろいろあったが、実に楽しく仕事をさせていただいている。
メガバンクから社員10人の中小企業に移ってまず感じたのは、「人の数だけ仕事が増える」というパーキンソンの第一法則だ。

メガバンクでは、意思決定のために資料を集め、書類を作成し、何度も手直しした上で決裁に回し、上位者へと順に承認を取りながら、最終決裁者の承認を得る。
早くても1日、内容が重ければ数日あるいは1週間以上かかかる意思決定も、中小企業では、資料を持って社長に説明してその場で決まる。
このスピード感は、初めは戸惑うくらいであった。

作成する決済書も、私の元の職場ではワードの書体や文字のポイントまで細かくルールがあり、見る人の好みによって表やグラフや「てにをは」の表現や体裁も変わる。
役員決裁ともなれば、何度も何度も手直しし、それはそれは立派な書類が出来上がるが、肝となる「判断」はほんの一部で、大半は事務労働だ。
この事務労働を大幅にカットできれば、「帰りが遅い」銀行員もみんな定時に帰れるだろう。

転職によって通勤時間は大幅に増えた。
何せ毎日山手線を一周している(往復とも内回りで一周している)のであるが、個人的には読書時間が増え、かえって嬉しい気がしている。
以前はなかなか年間で100冊読めなかったが、今年は既に114冊を数えている。
私にとっては、「痛勤時間」など皆無で、この「読書時間」は短縮したいと思わない。

仕事は楽しくて仕方がないが、それは自ら主体的に考え、提案・実行しているからだろう。
なんでもそうであるが、「やらされている」より「自らやる」方がいいのは当たり前のこと。
大きな組織では、ボトムアップで組織を動かすのは容易ではない。
そのあまりの労力に、たいてい匙を投げるものだが、中小企業であれば簡単に動く。
このダイナミズムも魅力だと思う。

銀行では、だいたい50代前半で出向・転籍となるところが多いだろう。
役員にでもなれば別であるが、転籍して本体を離れ、そこで第二の人生となるわけである。
そのまま銀行で用意してくれた関連会社などの席に座るのも良いが、退職金をもらって外へ飛び出すのも悪くはない。
そう改めて感じている。

サラリーマンであれば、だいたいみんな「自分は仕事ができる」と思っているだろう。
実はそれは特定の組織内だけであったりするかもしれないと思っているが、本当にそうなのか、外に出てみればわかる。
「俺が出世できないのは、単なる不運だ」と思っている人は、是非飛び出てみるべきだと思う。
中小企業の方も「優秀な」人材を欲しているから、ブツブツ文句を言っているくらいならそうすべきである。

さて、2年目に突入となるわけであるが、慣れの怖いところは、「これでいい」と思うところだ。
改善点はないか、もう一つ上を目指すにはどうしたら良いか、目線は常に上に維持していきたいところである。

転職して、定年がなくなったのも良かったところだ。
ただしそれは、「会社が続く限り」という条件付きである。
そして会社が続くかどうかは、自分の頑張りも影響するところ。
自分の食い扶持は自分で確保しないといけない。
できれば最低でも70歳までは働きたいと思うし、それ以上も働いて年金の心配などしないで済ませたいと思っている。

明日から2年目、そして一年最後の月。
気持ちを新たに、楽しく働こうと思うのである・・・

【本日の読書】

 

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