2014年1月19日日曜日

日中関係を考える

昨日は毎年恒例の「中国から見た日本」の講座に参加。
世話役としてお手伝いしている小山台教育財団の講座である。
昨年までの講師の方が、中国で拘束されており、連絡も取れない事から今回は精華大学と中央大学で教授をされている方にピンチヒッターを依頼。
例年とは違うアプローチながら、中国との関係を考えるいい機会となった。

そもそもであるが、私は我が国は「米中等距離外交」路線を進むべきだと考えている。
戦後ずっとアメリカの傘の下で発展してきた我が国であるが、そろそろ“自立”し独自の路線を歩むのが理想だと思う。
アメリカも悪くはないが、アメリカは国益を前面に出して動く国。
それも仕方ないとは思うが、「アメリカの国益≠日本の国益」である。
我が国もそろそろ国益を意識してもいいと思う。

アメリカは、自国の石油利権を守るために、「大量破壊兵器」というありもしない口実をでっちあげてイラクと開戦し、自国に都合の悪いフセイン政権を打倒した。
我が国も国是を曲げさせられ、自衛隊をイラクに派遣した。
そして次のターゲットとなっていたイランについては、我が国は長年友好関係を築いてきたにも関わらず、アメリカの経済制裁措置に無理やり歩調を合わさせられた。今後もこういう事は続くだろう。そろそろ我が国の国益に合わないアメリカの政策に対しては、“No”と言えるようにならないといけない。

それには中国との関係改善が不可欠だ。
尖閣諸島に毎日のように圧力をかけられている現状では、アメリカの庇護下からは抜けられない。高いアメリカの戦闘機だって不利な条件で買わないといけないし、沖縄の基地縮小も夢のまた夢。これは中国政府にも言える事。

日本に対する“北風”政策は、日本に対しアメリカというコートを脱ぐどころか、ますますしっかり羽織るように仕向ける事になる。“太陽”政策で緊張緩和すれば、日本も「防衛費の削減」「米軍基地の縮小」といった事が可能になるし、それは中国にとっても好ましいはず。経済大国2位の国が、1位の国に対抗していこうとすれば、3位の国と組むのはもっとも望ましい事である。

民主党政権は酷い政権だったと思うが、たった一点だけ良かったのは、小沢さんが「米中等距離外交」に足を向けた事だった。安倍総理の靖国神社参拝は個人的には大賛成だが、対中関係という点ではデメリットになる。“対中関係改善”という大きな目標を実現するためには、しばらく封印するのも日本の国益に適うと思う。

中国人観光客がたくさん我が国を訪れ、日本製品を「オトナ買い」してくれれば、日本の消費も増加して経済にはプラスになる。中国市場の購買力は、我が国が重すぎる借金を返していくための有力な返済原資になると思う。大した国益にならない韓国は相手にする必要はないが、中国との関係改善だけは真剣に考えるべきだと思う。

年に一度はそんな事を考えてみるのも良い事だ。
来年は今までの講師の方の復帰は成るだろうか。
中国政府も、日本における“中国の宣伝部長”とも言えるこの講師の方の拘束がいかに自国に不利益になるかを認識し、早く釈放してほしいものだと思う。

今後も折に触れ、ニュースには着目していきたいと思うのである・・・


≪過去の中国問題≫
日本核武装論
中国から見た日本2012
ああ中国人

【今週の読書】


 
       

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