2009年1月11日日曜日

海外での誘拐事件に思うこと

 
エチオピアで誘拐された日本人医師が解放された。
そういえばそんな事件もあったな、と忘れかけていたが何より無事開放というのは良かったと思う。
開放に当たっては医師が所属するNGOが交渉に当たったようである。
専門のネゴシエーターか何かを雇って交渉したのだろうかと想像力を逞しくしている。

開放にあたってはどうやら身代金150万ドルが支払われたようである。
こういう場合、身代金を支払うとそれに味をしめた犯行グループが再度日本人を狙う可能性もあり、また別グループも同じ事を計画するとなると、世界中で日本人が狙われるという事態も招きかねない。だから安易に身代金交渉に応じてはいけないという考え方がある。

外国ではむしろそういう考え方が主流のようだ。
日本人はすぐに金を払って解決したがるような感じだが、それは「金がある」事と「人質奪還などの任務を外国で遂行できる能力がない」という事情も背景にあるのだろう。

だが「交渉しないというスタイル」もどうだろうか?
例えばハマスやヒズボラなどのパレスチナゲリラはよくイスラエル兵を拉致する。
憎くきイスラエル兵だから捕虜にするより殺してしまうのかと思えばそうではない。
時折、イスラエルとゲリラグループとの捕虜交換がニュースで話題になる。
イスラエルは国内で拘束したゲリラグループのメンバーを自国兵士との交換で解放しているのだ。
それが3人対300人だったりする。

数の上では圧倒的に不利な交換である。
ゲリラからすれば、イスラエル兵一人を拉致すれば100人の仲間を解放できる。
だから「殺すより生かしておく」。
結果的に兵士は殺されずに済む。

イスラエルは国民の数が少ない。
兵士一人と言えども安易に見殺しにはできない。
だから例え不利な条件でも交換に応じる。
その結果、自国兵を守る事になる。
これも一つの考え方だ。

無事に帰せば金がもらえるとなれば殺されずに済む。
お金と命とどっちが大事かなんて比べるまでもない。
しかし、逆に金になると思えば狙われる。
この矛盾は実に難しい。

今回日本政府は表に出なかったという。
水面下でそうした配慮がいろいろとあったに違いない。
何はともあれ安心であるが、海外に行く時はやっぱりいろいろと気をつけなければと思う次第である・・・

 

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