管理職になったのであれば、そろそろ「経営」を意識してほしいと考えている。管理職から経営は始まる。管理職(我が社は課長からであるが)となれば、「課」単位で、収益と人事労務管理をやってもらっている。すなわち、「課」を小さな「会社」と考える意識である。各課には収益目標を課している。なかなか高い目標であるが、それは「現状の延長線上に目標をおいてはいけない」と言われている事にも則っている。各課長には、なぜ「現状の延長線上に目標をおいてはいけない」のか、その理由を噛み砕いて説明して高い目標にチャレンジしてもらっている。
そうして少しずつ、「経営マインド」を身につけていってもらおうと考えている。大事なのは納得性で、要は「出来もしない高い目標を押し付けられた」という意識を持たないようにする事である。それは最初にきちんと説明しておかないといけない。そして各課の目標は当然会社の目標に結びついていくのであるが、しかし、「各課の目標の合計=会社の目標」としてはいけないと考えている。もしもそうすると、目標未達の場合、その責任は課長が負う事になってしまう。当然、「各課の目標の合計<会社の目標」でないといけない。その差額は部長の責任範囲であり、部門担当役員の責任範囲である。
そうした各課の経営を行いつつ、「会社目線での思考」を心がけていってもらいたいと考えている。みんな最初は「自分目線」である。主語が「自分」であるので、それを「会社」にしてもらわないといけない。「自分はこれだけ頑張っています」ではなく、「会社にはあと◯◯が必要だ」、「そのためには□□をしないといけない」という発想である。そういう発想ができると、会話の中での意見も違ってくる。自分のPRではなく、「自分は目一杯やることがあって忙しい」ではなく、「どうやって□□をやったらいいのか」という発想になる。
「できる人は問題の中に解決策を見つけ、できない人は解決策の中に問題を見つける」という。まさにその通りで、面白いくらい「問題指摘型人間」は多い。「それはそうかもしれませんが、現実的には難しいんですよ」とか、「今私はこんなに仕事を抱えているんですよ、これ以上まだやれって言うんですか」とか、問題指摘型発言は我が社では随所で見られる。我が社には、現在次の部長候補と考えられている課長がいるが、これが残念ながら「自分目線」で、一度指摘して話をしたが、まだまだ治っていない。意識とトレーニングで修正できると思うのだが、それは私の勝手な思い込みなのだろうかと思ってしまう。
されど一度言ってダメなら二度、二度言ってダメなら三度言わないといけないのかもしれない。三度言ってダメなら本当にダメなのかもしれない。ただ、私も思い返してみれば、30代の頃、このあたりの考え方で随分怒られた記憶がある。直接「経営マインド」という言葉ではなかったが、要は経営マインドのことだと今ではよくわかる。人のことを偉そうに言えたものではない。ただ、私自身もそうして指導してもらったのであり、今度はそれを返す番だとも思う。私の場合は、丁寧に言ってもらえず、禅問答のようでよくわからなかったが、私はわかりやすい言葉を選んでいるつもりである。
中小企業は大企業と違い、経営人材は限定されている。「あれがダメならこれ」というわけにはいかず、「あれ」を根気よく育てるしかない。それと同時に、課長になりたての若い課長には、今から少しずつ経営マインドの何たるかを教えていかないといけない。今から鍛えていけば、次の次の経営人材は複数の選択肢からの候補者選びとなる。そうなれば競争原理も働くし、一層経営感覚を磨いてくれるかもしれない。そうなると、我が社の経営もより安定し、より高みを目指せるかもしれない。
今はそんな種蒔きの時だと思う事にしている。まずは目先の部長候補から鍛えたい。それが会社の未来に通じるとして頑張りたいと思うのである・・・
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LuvmissileによるPixabayからの画像 |


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