2023年11月19日日曜日

仕事についての雑感

 大学に入るのに一浪した私は、卒業時に一浪の価値として、「一年働く期間が短くて済む」と前向きに考えたものである。定年の60歳まで働くとして、22歳で卒業すれば38年、23歳で卒業すれば37年働くだけで済む。あと一年でその60歳になる今思うことは、引退どころかいつまで現役で働けるだろうかという思いである。「最低70+α」というのが今の正直な気持ち。昔とはだいぶ考え方が変わったと思う。それは「70歳まで住宅ローンが残っている」という現実的な理由もあるが、仕事自体に対する考え方の変化も大きい。


 就職当時、私にとって仕事とは生きていくための義務であり、「しなくてはならないもの」、「避けては通れないもの」であった。しかし、今では「したいもの」、「できるだけ続けたいもの」に変わっている。「仕事は楽しいかね?」と聞かれたら、迷わず「楽しい」と答えるだろう。もちろん、実際の毎日はいろいろと予想外の出来事があり、思い通りにいかないことも多い。社員90名弱の中小企業は、とても業績安泰とは言えず、9月の決算も計画を大幅に下回り、先行きは厳しい。それでもそれはそれで楽しさに影響はない。


 そもそもであるが、仕事は何でもうまくいく、思い通りになると考えるとストレスになるが、「問題は起こるもの」という前提でいれば気持ちが凹むことはない。問題は頭が痛いし、厄介ではある。されど避けて通りないものであれば、そういうものだと考えればいい。ラグビーの試合でも相手がいるからこそ楽しいと言える。練習ではうまくいったサインプレーも相手がいれば思い通りにはいかなかったりする。それどころか負けて悔しいこともある。されどそもそも相手がいなければ、ラグビーは面白くも何ともなくなってしまう。問題があってこその仕事である。


 しかし、世の中には仕事が面白くないという人も多い。そういう人の仕事はどんな様子なのかと興味がある。つまらない仕事だからつまらないのか。内容ではなく、人間関係というのもあるかもしれない。とにかくやりたくない事は何であれやりたくないと思うのか。私の場合、比較的仕事は何でも楽しめるというところはあると思う。銀行を退職した9年前、再就職までしばらく間があったのでアルバイトをした。工場での梱包作業という軽作業である。仕事は単純だったが、それなりに工夫して楽しくこなした。単純な仕事でも楽しめると思う所以である(もちろんその仕事を10年も楽しく続けられるかというとわからないが・・・)。


 今は財務・人事を中心とした総務の責任者として経営の一翼を担っている。最近は小さい会社をM&Aで買収したが、自分がいなければやれなかったと思うし、会社を動かしていると実感できている。思う通りの仕事ができれば仕事はより楽しくなる。役員だから定年は関係ないし、世間では60歳で一旦退職し再雇用というのが一般的だが、給料は大幅に下がる。されど今の私にはそれも関係ない。会社が傾かない限りは今の収入をずっと維持できる。銀行員を続けていたらとても無理だったが、中小企業に転職したからこそ得られた自由と言えるかもしれない。


 そういう職に就けたのは運という要素が大きい。しかし、運だけでは当然ない。そこには仕事を楽しむというスタンスが良かったのだろうと思っている。今でも面倒だなと思うことは数多くある。されど、「我がものと思えば軽し傘の雪」である。問題は起こるものであり、それを解決するのが自分であり、それによって会社での存在感を示せるのであれば、問題こそ仕事を面白くしてくれる要因だとさえ言える。これから70歳まであと11年。できればそれ以上。楽しく働いていきたいと思うのである・・・

 

StartupStockPhotosによるPixabayからの画像

 

【今週の読書】

  




0 件のコメント:

コメントを投稿