2022年7月17日日曜日

臨機応変

 私は自分で言うのもなんだが、かなり臨機応変が効く男だと思う。もともとあまり計画を立てて実行するというより、その場の流れで思った通り、感じた通りに行動するというタイプであるということもある。その昔、女性とデートするのにもあらかじめデートコースを考えるというのが苦手で、ざっくりここ(銀座とか新宿とか)と決めて、あとは臨機応変という名の「行き当たりばったり」であった。あまりモテなかったのも、そんなところが大きかったのかもしれない。


 しかしながら、この臨機応変も大事であると思う。何事も計画通りいくとは限らない。否、大半が計画通りにはいかないものだと思った方がいい。そうした時、オロオロするのではなく、状況に合わせて臨機応変に対応するしかない。問題はその時、適切に対応できるかである。これはなかなか難しいことだと思う。その時、どうしたら臨機応変に適切に対応できるかであるが、臨機応変であるがゆえに事前に準備しておくということも難しいのだろうと思う。どうしたら臨機応変に対応できるであろう。


 考えてみるに、やはりそれは事前に計画し、準備しておくことしかないと思う。一見、矛盾しているが、臨機応変は行き当たりばったりとは違う。行き当たりばったりは無計画で出たとこ勝負であるが、臨機応変はまず計画である。目標を立てて、そこに至る手順を考える。そして状況の変化によって計画通りに行かなかった場合、目標をぶれさせることなくそこに至る次の手を打つ。プランB、プランCと用意できればいいが、用意できなくても問題はない。


 例えばスポーツの試合では、私もラグビーをやっているが、練習で様々なチームプレーを準備して試合に臨む。試合では相手があるだけに、事前に計画した通りにできるとは限らない。しかし、日頃から様々なシチュエーションに備えてイメージし、練習していると、それが試合のシーンで咄嗟にできたりする。練習していれば考えなくても「体が動く」のである。「こう来たらこう動く」という練習を繰り返していれば、試合の時もそのようにできるのである。それは行き当たりばったりとは違う。


 朝の通勤でも、人身事故が発生して電車が止まってしまった場合、新たなルートを選ばないといけない。目的地は変わらないので、あとはどういうルートを選択するかである。これも日頃からいくつかのルートを頭の中に入れておけば、迷わず代替ルートを選択できる。行き当たりばったりだと、その場で慌てて「乗り換え案内」を検索するということになる。通勤ルートのような単純なものであれば、行き当たりばったりでもどうにでもなるが、スポーツの試合や会社経営となるとそうもいかない。「無計画」と、「計画通りに行かない」とは似て非なるものである。


 そもそもであるが、スポーツでも仕事でもうまくいかないのが当たり前だと思っている。そう思っているので、うまくいかなくてもストレスには感じない。自分の考えに必ずしも周りが同意するとは限らない。否、むしろすんなり同意を得られることの方が少ないと考えている。だから「なんでわからないんだ!」と腹を立てることもないし、むしろ「そういう理由で反対するのか」と冷静に分析してみるくらいである。実際、我が社の役員会では何か提案しても反対、あるいは同意を得られないことの方が多い。


 そんな時は、臨機応変に対応するしかない。反対理由によっては少し形を変えて同意を得られる場合もある。あくまでも自分の考えに固執して無理に通そうとするよりも、まず形を変えて通してから少しずつ自分の考えに近づけていくという方法もある。実際、了解を得てしまえば、その後の修正案にはあまり抵抗を受けないケースが大半である。大事なのは目的がブレないことであり、その限りでは多少形が変わったとしても拘らずに臨機応変に対応しようと考えている。


 大きな話をすれば、自分の人生もこの通りではないかと思う。あれこれと計画を立ててもその通りにいくとは限らない。されど計画を立てることは大事。今は最低でも70歳まで現役で働こうと考えているが、その通りにいくかどうかはわからない。されどそういう考えを持つことがまず大事。昨年、転職して一般社員として入社したが、我が社の規定では定年が60歳。そのあと再雇用制度はあるが、収入は半減する。そこでまずは役員昇格を目指したが、それは達成した。これで定年の縛りは無くなったが、あとは会社の業績である。潰れてしまったら元も子もない。


 会社も安泰かというと、そこは社員100名にも満たない中小企業ゆえに安泰ではない。どうなるかはわからないが、計画は計画でその通りいかないのが当たり前。その時は目的意識をしっかりと持ち、臨機応変に対応するしかない。そういうものだと思っていれば、思いがけない想定外の展開になっても「想定内」と言える。何があっても慌てず動ぜず。しっかりと考え、臨機応変に対応するだけである。そういう考えで、これからもやっていきたいと思うのである・・・

 

Razmik BadalyanによるPixabayからの画像 


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