2021年4月8日木曜日

三種の神器

 仕事でもスポーツでもうまくやる秘訣は、「考え方(考える事)」「情熱」「創意工夫」であるというのが私の信条である。仕事(スポーツ)に対して、「どんな考え方をもってあたるのか」、「どれほどの情熱を込めて取り組めるのか」、「どのようにしたらうまくいくのか徹底的に工夫する」ことである。それは仕事でもスポーツでも同様であり、真理であると考えている。

 ある野球チームにA君とB君がいて、コーチがそれぞれ半年後にはレギュラーに育てたいと考えたが、2人とも打撃が弱い。そこでコーチは2人に「毎日素振りを100回やれ」と指示を出した。A君は真面目に毎日素振りを100回やった。B君はまず自分の打撃は何が悪いのだろうと「考え」た。ストレートは比較的打てるが、変化球に弱い。そこで変化球を打つにはどうしたらよいかコーチにアドバイスを求めた。

 適切なスイングを教えてもらった上で、足腰を鍛えることも必要だと打撃の上手い先輩にアドバイスをもらい、朝起きてランニングをすることにした(熱意)。さらに週末には素振りの様子をビデオで撮影し、安定したスイングができているかどうかをチェックした(創意工夫)。2人とも真面目に毎日素振りを100回し続けたが、半年後にレギュラーに選ばれたのはどちらだろうかと予想すると、それは間違いなくB君だろう。

 2人が実施した素振り100回という行為は同じである。しかし、その結果には雲泥の差が出るであろう。「好きこそ物の上手なれ」という言葉があるが、まさに「情熱」を持って取り組めば、並以上の結果を得られるものである。一生懸命「考える」し、あれこれと「工夫」も生み出される。「ただやる」のではなく「どうやる」のか。その結果は大きな成果となって現れる。そういうものだろうと思う。

 サラリーマンの中には指示待ち族の人がいる。言われればやるが、言われないとやらない。言われて一応やってみせるが、どこか物足りない。A君も真面目に100回素振りをしているが、それだけである。指示された仕事はやるが、どうせだったらもっと効率的にやろうとか、効果的にやろうとか考えて欲しいと思うが、本人にその気はないようで、言われたことを言われた範囲内でやるのみである。

 もっとも、本人にしてみれば、言われたことはきちんとやっており、何が問題なのかと訝しむかもしれない。嫌な事(気乗りしない事)はさっさと終えてしまった方がいいというのは人の心理である。仕事だって生きていくためにはやらなければならないわけであるからやっているわけで、指示された事をきちんとやっているのだからそれ以上求められても困るという反論があるかもしれない。

 それはそれで、おかしくはない。仕事に何を求めるかは人それぞれの考え方である。野球はある程度好きだからチームに入っているが、そこそこ楽しめれば十分で、無理してレギュラーにならなくてもいいという考え方もある。A君の例だって、本人が満足していれば別に問題はない。ただ、レギュラーになったり、仕事で多くの給料をもらいたいと思えば、当然そんなスタンスではいけない。

 では、そうしたことに気がついていない場合はどうか。レギュラーにはなりたい。だからコーチの指導には忠実に従う。毎日素振りを100回きちんとやる。そういう場合は、きちんと認識させないといけない。「言われた事だけでは足りない」と。「自分で考えろ」と。そうして自分で考えられる人はいいが、そこで戸惑う人もいる。「自分なりに考えているし・・・」とか、「考えてもわからない」とか。

 かつて私もそうであった時期があった。突然、「今のままでいいのか」「おまえは何がやりたいんだ」と言われて戸惑ったのである。20代後半の時であった。そうは言われても仕事はきちんとやっているし、何がいけないのかわからなかったのである。たぶん、誰よりもそつなく素振りを100回こなして満足していたのだと思う。「仕事は仕事、やる事だけきちんとやっていればいい」という考え方であったと今では思う。

 それが変わり始めたのは、このままではレギュラーになれないという現実である。ならどうするか。諦めるか自分なりに足掻くか。もともと自分はレギュラーになれると思っていたから、諦めるという選択肢はない。そうして足掻き始めた次第である。それでもいきなり変化したわけではなく、熱心に指導していただいた方に内心反発していたりという時期もあったのは事実である。こうした「コーチ」の存在も重要であろうと思うのである。

 長年かけての気付きではあるが、こうした気付きをどこかで誰かに伝えたいと思う。いずれは子供たちにと考えているが、仕事やスポーツに限らず、勉強にも当てはまる。高校生になった息子にも形を変えて教えてみようかと思うのである・・・


Keith JohnstonによるPixabayからの画像 

【本日の読書】
  


0 件のコメント:

コメントを投稿