2018年11月12日月曜日

静かなるリーダーシップ

ネットの記事で、『【なるほど、納得】的確に表した「ボスとリーダーの違い」に考えさせられる』というのを読んだ。なるほど、イメージ図を見るとリーダーとボスの違いが一目瞭然であり、うまく表現したものだと思わされる。これを読めば、だれでも自分ならリーダー・タイプになりたいと思うだろうし、リーダー・タイプの人の下で働きたいと思うだろう。実際はボス・タイプなのに自分はリーダー・タイプだと勘違いしている人も多いと思う。

しかしながら、世の中にはリーダー・タイプでもボス・タイプでもないタイプの人がいることも確かである。過去の銀行員時代にも、「この人よく昇進できたな」というタイプの上司はいた。どちらのタイプでもないタイプの上司である。部下を持ってもやたら威張るほど狭量ではないが、自ら先頭に立つほど自信もない。でも部下を持ってしまったから上司をやらないといけない・・・ご本人はそんなつもりなどないかもしれないが、そう見えてしまう「自信のないタイプ」とでもいうタイプである。こういうタイプの上司は、決断も遅いしはっきりとした考えもわからなくて部下も困惑してしまう。

そういうタイプの上司はどうしたらいいのだろうかと考えてみる。自分が先頭に立つのが無理なら、部下を先頭に立たせればいいだろう。つまり、こういうタイプは「人をうまく使う」に尽きる。そうすれば、苦手な「先頭に立つ」こともないし、権威主義のボスとして威張る必要もない。有望な部下を選んで、適度に励まして先頭に立って走ってもらえば良いわけである。それで上司としての権威が失墜するものでもないし、職務怠慢を問われることもない。上司は自分の課のパフォーマンスを結果として上げることが大事なのであり、自分で先頭に立つパフォーマンスは必ずしも必要がない。

さらにこの方法だと、同時に「部下の育成」もできることになる。人材育成の一番の方法は、OJTであり、責任ある仕事を任されることである。上司から期待されて先頭に立つことを覚えれば、それは次世代のリーダー育成にも繋がるし、人材育成の実績として、自分の成績にもなる。「自信のないタイプ」を自覚しているなら、こうした方法が適していると思う。

さらにこの時、注意しないといけないのは、「任せっぱなし」にしないことだ。仕事を任されたのはいいが、上司が無関心だといずれ当人のやる気も萎んでしまう。マズローの「欲求五段階説」を出すまでもなく、人間には「承認欲求」がある。自分の仕事を見ていてもらって、褒められればさらなる力を発揮するだろうが、無関心ではやがて意欲も消失する。折に触れて、進捗を尋ねたり、やり方に対する途中評価を適宜加えて、「いつもしっかり見ている」という印象を与えることが大切である。

実際、私もプロジェクトを任されたはいいが、上司はまったく無関心ということがあった。途中で「あれどうなった?」と一言でも聞かれればともかく、ひょっとしたら忘れてしまったのではないかと思う有様になったことがあった。こうなるとこちらのやる気も失せてくるというもの。やってもやらなくても同じなら、人間やらない方に流れるものではないかと思う。ちょっとでも関心を示していれば、ある種の緊張感も持続して継続することができると思うのである。

リーダーシップのタイプはリーダー・タイプとボス・タイプの2種類ということはないだろう。無理にどちらかと考える事にあまり意味はない。ただ、どちらにせよ楽していていいことはないのは事実。体を動かすか、脳みそをフル稼働させるか。自分に合ったやり方で、かつ部下を手下ではなくチームメンバーとして考えるのが良いのではないかと思う。私だったら、部下に先頭を任せることを選ぶと思う(その方が楽だし・・・)。

 ふと目にした記事からあれこれとそんなことを考えてみた次第である・・・




【本日の読書】
 
    
    

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