2017年6月18日日曜日

豊洲移転問題

小池氏、週明けにも豊洲移転表明へ 築地も活用方針
小池百合子・東京都知事は、築地市場(東京都中央区)を豊洲市場(同江東区)に移転する方針を固めた。週明けにもその方向性を表明する。豊洲市場の土壌などの汚染対策を拡充し、安全性を確保する方針。一方、築地市場については、市場機能移転後も「築地ブランド」を生かす方策を検討している。
6/17() 18:35 朝日新聞デジタル
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すったもんだしている築地市場の豊洲移転問題であるが、ようやくここにきて動きがあるようである。この問題、一般都民の立場からするとわかりにくいことこの上ない。都民として無関心を装うつもりはないが、何がどうなっているのかわからない以上、何とも考えようがない。そもそも移転するかどうかという問題は別として、もう移転が決まっている以上、「安全なら移転」「安全でないなら移転中止」と考えれば実に簡単である。実際の安全性はどうなんだろうと思わざるをえない。

その疑問は、実にシンプルであるのに実はそうではないようである。「安全だ」という意見と、「安全でない」という意見が真っ二つに分かれているようなのである。素人にはどちらが正しいのかわかりようがないからお手上げである。駅前で配られていた機関紙を比較するとそれがよくわかる。日本維新の会のは、「豊洲市場に早期移転を!」と訴えている。これに対し共産党は、「移転はきっぱり中止し築地での再整備を」としている。両党の主張は以下の通り、真っ向から対立している。

【両党の主張】

日本維新の会
共産党
ベンゼン等による汚染
環境基準値以下
汚染水経由、土壌経由ともに汚染が摂取される可能性はない
環境基準の79100倍のベンゼン検出。土壌と地下水は広範囲にわたり深刻に汚染
地下に空洞
安全性に問題なし
土壌汚染対策実施済み
盛り土なく、有毒物質が拡散するリスク。

それぞれ、「専門家の意見」を根拠としていて、どちらが正しいのかはわからない。おそらく、それぞれ「都合のいい専門家」の意見を取り上げているのだろうと思う。また、日本維新の会は、安全基準がそれぞれ「国の法律基準」、「都独自の基準」、「理想基準」と三段階あり(この順に厳しい)、豊洲だけ最も厳しい(行き過ぎた)「理想基準」で議論されていると主張している。そう言われて共産党の主張をよく読むと、「すべて除去・浄化できなかった」、「リスクが生じる可能性がある」との文言が目につき、あるいはその通りの「理想基準」なのかもしれない。

こういう意見対立を見れば、大概自分の意見に近い政党の意見の方が正しいように思えてしまう。個人的に「何でも反対する共産党」は嫌いだから、この豊洲移転問題も日本維新の会の主張の方が正しいように思えてしまう。もっとも自民党も小池さんも各党も「移転反対」と唱えたら、共産党は移転に賛成するのではないかと思ってみたりする。ただ、みんながみんな同じ意見に走るのは、間違った時は危険でもあるし、一定の反対分子はかえって社会の健全性になるのではないかと思うので、まぁいいとは思う。豊洲の問題も、従って今の所中立的な立場でいたいと思う。

それよりも日本維新の会の主張を見ると、「今の議会は人数ばかり多く、議論があちこちに散乱。時間とお金がかかり過ぎる」となっている。ここにこそ問題があるように思う。議員定数の削減が是非とも望まれるところだが、共産党はこの点についてどういう意見なのだろう。この点、個人的には嫌いな政党の1つである民進党は、議員定数削減を主張している。議会で提案したが否決されてしまったとのことで、この点は残念である。ちなみに豊洲移転については、「安全・安心が優先」との原則だけ明示して立場を明確にしていない。ある意味、最も不偏的な意見だと思う。

さて、この問題はどうなるのだろう。都民としては関心を持って見守っていきたいと思うのである・・・





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