2012年7月1日日曜日

小沢一郎

 消費税の増税がいよいよ決まる事になりそうであるが、新聞紙上ではそんな事より小沢一郎の動きで忙しい。今さらピントのボケたマスコミに、本当の実態など期待しても仕方がないが、政治家のやっている事はどうもよくわからない。

 消費税の増税によって、何がどう変わるのか。果たして我が国の財政はそれで再建できるのか。できるとしたら、あるいはできないとしたら、次にどうするべきなのか。本当はもっと今後の我が国のあり方を議論すべきだとは思うのだが、マスコミの関心は民主党の造反議員がどうだとか、小沢さんの新党がどうだとか、そんな事ばかりだ。政治家もマスコミも相変わらず嘆かわしいばかりだ。

 言っている事だけを純粋に捕えれば、小沢さんの主張が一番まともだ。「増税だけが先行するのは国民への背信行為で、嘘つきと言われても仕方ない。社会保障、年金、医療も我々の改革案を掲げて政権交代を実現した。それを一切棚上げし増税だけを先行するのは国民が決して納得しない。」問題は、それが本心からなのか、あるいは自分が首相になるための、党内で主導権を握るためだけの詭弁なのかわからない事だろう。

 それにしても、小沢さんと同じく民主党で消費税増税反対・棄権等に回った民主党議員が57人。そのうち、小沢グループが43人だという。マスコミであれだけ叩かれていて、明らかに国民の人気なんてないだろうと思われる小沢さんに、43人もの議員がついていくという事実に興味を惹かれる。

 半数以上が、いわゆる「小沢チルドレン」と言われる当選1回の議員らしいが、なぜ「輿石チルドレン」ではなく、「鳩山チルドレン」でもなく、ましてや「菅」「岡田」「野田」でもなく「小沢」チルドレンなのか。可能であれば、追求してみたいところだ。

 自民党でかつて大権力を誇った田中角栄さんは、アメリカの不評を買って潰されたという話がある。アメリカよりも先に中国と国交を回復し、いち早く中国との友好関係樹立に走った田中角栄の動きを気に入らなかったアメリカは、ロッキード事件で田中角栄を葬ったというのである。事件はアメリカで公けとなり、東京地検特捜部もアメリカ側から次々と証拠が出てきて、非常にやりやすい裁判だったらしい。

 そんな事が頭にあったから、民主党が政権を奪還し、小沢さんが米中等距離外交を謳いだした時、「大丈夫なんだろうか」と思ったのだが、今その通りになっている。本当に裏でアメリカの意向が働いているのかどうかはわからない。ただ、東京地検特捜部が起訴を見送った(すなわち勝てる見込みがないと判断した)陸山会の裁判で、一弁護士が無理やり起訴してしまうなんて動きを見ていると、まんざら嘘でもなさそうな気がする。

 もともと天の邪鬼な性格なだけに、マスコミが狂ったように小沢批判をすると、一層「そんな事はないんじゃないか」と思ってしまう。小沢一郎という政治家の本当の胸の内はわからない。国民の事、我が国の事を真剣に考えているのかもしれないし、実は腹黒くて権力欲だけで夫人の手紙にある通りの人なのかもしれない。

 ただ人間性はともかく、発言だけをとらえると、昔からすっと腹に落ちてくる事を主張している事は確かである。まあ政治家はみんな良い事を言っているのも事実ではあるが・・・先日の菅さんも言っていたが、もう消費税を上げないと日本国の信用が損なわれ、金利が上昇し、それはギリシャのような国家財政の破綻につながるのだと言う。個人的には、「やる事やってから上げても十分間に合う」とは思うのだが、そう言うならそれでもいだろう。

 常識的に考えれば、消費税の増税が成立したら、後回しにしている議員定数や公務員の人件費やらその他の無駄の削減に着手してくれるに違いない。大山鳴動して何とやらという事にはならないようにしてもらいたいものである。いずれにせよ、小沢さんのニュースは今後も当分メディアに賑わしていくのだろう。

 興味を持って、かつメディアの偏見に惑わされないように、注目していきたいと思うのである・・・


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