2010年8月22日日曜日

党首選

民主党の代表選が徐々に話題に上って来ている。
実は今月の初めの事、ある方から小沢さんの動向について話を伺った。
なんでも本人は総理大臣に相当なりたがっているという事だった。
まあ政治家になった以上、しかもあれだけの実力者になればその気持ちは当然なのだろう。
それに総理大臣になると検察の追及を回避できるらしい。
次回の検察側の事情聴取は代表選後に延期したとニュースでやっていたが、総理大臣になればその必要もなくなる。そんな理由もあるのだという。

話を聞きながら、「本当だろうか」と思ったものだ。
ただ、その方も某新聞社の役員経験者だし、それなりのニュースソースもあるようだから満更ガセネタという事もあるまいと思っていた。
そうしたら小沢さんが代表選に出馬しそうな雰囲気になってきた。
「ああ、やっぱり」
というのが感想だ。

しかし、今の時期に総理大臣を代える事が本当に必要だと民主党の人たちは考えているのだろうか。
昨年の衆議院選挙で圧勝して以来、民主党の評価は右肩下がり。
ようやく菅さんに代わって盛り返しかけたところである。
確かに消費税で戻りかけた流れをつかみ損ねた経緯はある。
だが、ここで再び総理大臣を代える事が得策かと言えば、個人的にはそうは思わない。
ましてやそれが、第一次民主党政権の戦犯の一人小沢さんとなれば尚更だ。

小沢さんの疑惑については、事実はともかくとして印象はよくない。
ほとぼりも冷めないうちから出てきたところで、イメージアップにはならないだろう。
今は失った信頼をいかに取り返すかが、民主党の課題のはず。
一致団結して菅総理大臣を盛り立てて、盤石の政権を築くのが第一だと思う。
なのになんでだろう、と疑問に思う。きっとその裏には何らかの思惑があるはずだ。

このまま菅総理の下、一致団結して難局に立ち向かい、見事景気が上向いて国内の状況もよくなれば、民主党の支持率も上がる。当然菅総理の支持率も上がり、民主党内での発言権も強まる。それはすなわち長期政権を意味し、ポスト菅総理の争いも菅総理グループが圧倒的に有利になる。そうした流れを好まない人たちの、出る前に杭を打とうという意向が、そこにはあるのかもしれない。

当然、そこにあるのは国益でもなく、党益でもなく、個人の利益という事になる。
まあ自分が権力の座に就く事ができれば、当然党益にも国益にもなる政策が実現できるという腹積もりが、ひょっとしたらあるのかもしれない。私腹を肥やそうとしているとまでは言わないが、自分が考えた政策を実行し、それで国民の尊敬を勝ち取り、末永く名宰相として歴史に名を残したい、そんな野心なのかもしれない。

およそ政治家になろうというくらいの人は、誰でもそんな野心をもっているものなのだろう。
それが悪いかと言われれば、必ずしもそうではない。
誰が総理になろうとも、我々国民の生活が向上すれば、私としてはそれでいい。

例えば野球で、勝利の要因となった決勝点を入れてヒーローインタビューを受けるのは、難しいボールを選んで出塁し、ホームを踏んだ選手ではなく、ランナーを進めるべく見事な送りバントを決めた選手でもなく、きわどいところでホームに突入の指示を出したベースコーチでもなく、最後にランナーを生還させるヒットを打った選手だ。自分を犠牲にしてチームプレーに徹したとしても、それが日の目を見る可能性は低い。

政治家だって運が必要だ。
いくら自民党の党首だと言っても谷垣さんは総理大臣にはなれない。
小沢さんもかつて党首をしていたし、次の機会に例え党首に返り咲いたとしても、総理大臣になれるかどうかはわからない。ひょっとしたらこれが千載一遇のラストチャンスなのかもしれない。

どう転ぶのか、私としては見ているほかない。
結果的に我々の生活が良くなればそれでいいのだが、そうは言ってもやっぱりプロセスというのもある。なるべくなら信頼できるやり方で結果を出してほしいところだ。
みんなが送りバントを決めた選手を讃えられるようなムードが生まれてきたら、我が国ももう少し良い国になりそうな気がするのだが・・・

やっぱりそれは難しい事なんだろうかとしみじみ思うのである・・・



【本日の読書】
「リング」百田尚樹

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