2010年1月31日日曜日

映画雑感

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昨年までの世界興行収入ベスト5(億ドル未満切捨て)
 1.タイタニック               1997年  18億ドル
 2.ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還    2003年  11億ドル
 3.パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト
                        2006年  10億ドル
 4.ダークナイト               2008年  10億ドル
 5.ハリー・ポッターと賢者の石        2001年   9億ドル
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 米映画 『アバター』(ジェームズ・キャメロン監督)が凄いヒットを飛ばしている。配給元である20世紀フォックスの発表によると、それまで世界興行収入第1位だった『タイタニック』(同監督)の18億4,290万ドルを越え、18億5,500万ドルに達したという。

 『タイタニック』の記録は1年半にわたるトータルだが、『アバター』はわずか39日間でこれを越えたという。『タイタニック』の記録といえば上記の通り、それまで2位にダントツの差をつけて10年以上も君臨してきた大記録である。それをいとも簡単に越えてしまったとは驚きだ。まぁ映画自体は非常に面白いのでそれはそれで頷けるものはある。

 監督のジェームズ・キャメロンは私の好きな映画監督の一人である。「エイリアン2」「アビス」「ターミネーター2」「タイタニック」とどれもこれも私の映画史に輝いている。特に人間ドラマが秀逸だ。

 スピルバーグやルーカスといった大御所の映画は、「夢」溢れるものが多かった。現実世界とは異なる世界で、根底に流れるのは「夢」とか「希望」とかそういうもので、それはそれで素晴らしい。しかし、キャメロン監督の映画ではそれが重厚な人間ドラマなのである。その人間ドラマゆえに、胸が熱くなるのである。

 そしてその人間ドラマに共通しているのは「sacrifice」の精神である。「誰か(何か)のために、我が身を省みず信念をもって危機に立ち向かう姿」である。頼みの海兵隊が全滅し、たった一人で少女を守ってエイリアンと対峙するリプリー。深海に沈んだ核兵器を無力化するために片道切符覚悟で人類未踏の深度へと潜る「アビス」のバド。未来から送り込まれてきた殺人マシーンでありながら、「殺さない」事を学び、人類のために大きな決断を下すターミネーターT-800。沈みゆく船の中でパニックに陥り、我が身優先に考える人々の中にあって、最後まで恋人を守ろうとする青年。

 そうしたものは脚本までも手掛けるキャメロン監督の意図するものなのだろう。自分もそんな風にありたいと常々思っているせいか、観終わったあとあとにまで深く残るものがある。

 前作から10年以上も待たされた甲斐は十分にあった。満足する間もなく、「次回作」を期待してしまうが、それはまだまだ先の楽しみになりそうである。こういう映画を苦もなく観られる幸せをしっかりと噛み締めたいと思うのである・・・


【昨日の読書】
「ゴールドラッシュの超ビジネスモデル」野口悠紀雄
「コーヒーとサンドイッチの法則」竹内正浩
           
       

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