2018年8月9日木曜日

草津温泉

日本人は温泉好きである。かく言う私も、普段は「風呂好き」というほどではないものの、一応「温泉」となれば入りたいと思うタイプである。それに対し、最近、自分の年齢が若者から遠ざかるにつれ、「今の若い人たちはどうなんだろう」と思わなくもない。不動産賃貸業に携わっていると、近年は「湯船なし、シャワーのみ」という部屋が増えてきている。私なんて風呂好きでなくてもシャワーだけというのには抵抗があるが、若者にはないのだろう。風呂文化も変わりゆくのかもしれないと思ってみたりする。
 
それはさておき、先週は一足早く夏休みを取り、母親を連れて草津温泉へと出かけてきた。「夏場に温泉?」と一瞬思ったものの、なにより母親のリクエストであるから仕方がない。ちょうど墓参りに連れていくタイミングでもあり、母の故郷に近い草津温泉に足を延ばしたという次第である。東京からだと関越自動車道経由で4時間もかからない距離である。のんびりと道の駅なぞに寄り道しながら、そんなに疲れることもなく気軽なドライブである。

街の中心部全景
草津と言えば、「お医者様でも草津の湯でも♪」という歌が有名であるが、その他にも湯畑や湯もみ等特徴的なものがあって、国内の有名な温泉地の1つに挙げられるのも頷ける。街中には硫黄の香りが漂い、ホテルの湯船も当然ながら硫黄の香りの強いお湯で、滅茶苦茶温泉気分に浸れる。一番懸念していた「夏に温泉?」という部分も、行ってみてわかったが、日が暮れるとこの時期でも日中とは裏腹に涼しくなって温泉に適した気温になる。結果、温泉には快適に入れたのである。

街の中心部にある湯畑
着いて早々、いそいそと温泉に向かう母親を尻目に、1人街中を散策する。まずは街の中心部の湯畑に向かう。ここはなかなか壮観である。地下から滾々と湧き出でる源泉を何本もの木枠を通して流していく。あたりには硫黄の臭いが漂い、お土産物屋も元気に見える。昨年暮れには石和温泉に行ったが、温泉街としての街全体の雰囲気としては草津の方がずっと上である。「射的」の看板もあって、昭和生まれの身にはなかなか嬉しい。

行った日は、たまたまであるが、草津温泉感謝祭というのをやっていて、夜に湯畑の側を輿に乗った女神様の一行が静々と昇天して行くところを見学できた。あたりの灯を落としての行列で、母親も喜んでいた。なんでこの時期なんだろうかと考えを巡らせ、夏場に客足が落ちる対策として始めたのかなとついついビジネスモードで考えてしまったが、「第73回」となっていたから始まりは戦後すぐのようで、もっと純粋な動機なのかもしれない。

白根神社
散策の途中で地元の神社を発見(白根神社)。こういう時には必ず参拝することにしている。別に自分のことで神頼みをするつもりはないが、ご挨拶と両親の健康を祈願を兼ねて手を合わせ、頭を垂れる。自ら謙虚になるこの瞬間を大事にしている。それにしてもこの地の繁栄は何と言っても温泉なわけで、考えてみれば遥か昔から滔々と湯が湧き出ているというのも不思議な気がする。いつか枯れそうな気もするが、たぶん人間の尺度では測れない時間軸なのだろうが、やはり神様の恵みと考えたいところである。

自分から言いだしたこともあってか、母親はかなり喜んでくれた。着いた時と夕食の後と、最後は朝起きて朝食前と3度湯船に浸かり、満足そうな顔を見ているだけでこちらも満足であった。贅沢な旅とは言えないが、あとどれくらい残されているともわからぬ時間ゆえに、こうした時間を大切にしたいと思う。子供達が大きくなると、みんな夏休みのスケジュールはバラバラになる。1人暇を持て余すなら、親との時間を持つのもいいかと考えてだったが、その選択は間違っていなかったと思う。

次のタイミングは年末だろうか。今度はまた違う温泉にしようかと思うのである・・・


【本日の読書】
 

 
   

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